日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローレル」の意味・わかりやすい解説
ローレル
ろーれる
laurel
クスノキ科(APG分類:クスノキ科)常緑高木ゲッケイジュの葉を乾燥したもの。ベイリーブス、ローリエなどともよばれ、世界中で使われている代表的な香辛料の一つ。清潔な透き通るような芳香をもち、涼感を伴った苦味がある。普通、日陰干しにした葉をそのまま調理に用いるが、とくに煮込み料理などでは長く煮すぎると苦味が強くなるので、調理後は引き上げるとよい。肉や魚の生臭さを消し、あらゆる料理の味や香りを引き立てるが、洋風煮込み料理、たとえば各種シチュー、ブイヤベース、カレー、スープ、グレービーソースをつくるときには欠かせない。ブーケガルニ(数種の香辛料を束ねたもの)の一成分としても必須(ひっす)の香辛料である。マリネやピクルスに用いるときは、葉に割れ目をつけて香りを出しやすくして漬け込む。粉末ものは苦味が強く出るので煮込み料理には用いないほうがよい。
[齋藤 浩 2018年8月21日]