すててこ(読み)ステテコ

デジタル大辞泉 「すててこ」の意味・読み・例文・類語

すててこ

すててこ踊りを演じた初世三遊亭円遊がはいたところからいう》男性用の下着の一。ひざのあたりまであるズボン下 夏》
すててこ踊り」の略。
[類語]股引ももひき猿股パッチ

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精選版 日本国語大辞典 「すててこ」の意味・読み・例文・類語

すててこ

  1. [ 1 ] 〘 感動詞 〙 宴席などで座興に踊るこっけいな踊りの調子をとるはやしことば。
    1. [初出の実例]「アすててこすててこすててこてんてこてんとんとん」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)二)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. すててこおどり(━踊)」の略。
      1. [初出の実例]「一杯機嫌に浮れたち、〈略〉長い流行のへらへらに、すててこどこどこ馬鹿囃子」(出典:歌舞伎・浪底親睦会(1881))
    2. 男子用の下着の一種。ひざの下まであるズボンの下ばき。すててこ踊りを始めた三遊亭円遊がはいたところからいう。《 季語・夏 》 〔明治世相百話(1936)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「すててこ」の意味・わかりやすい解説

すててこ

パッチまたは股引ももひき)の変型で男子用下ばきの一種。膝下までの長さでゆるみが多く胴を紐で締める。夏のズボン下として用いられ,家庭内のくつろぎ着としても好まれていたが,しだいにすたれてきた。現在では胴まわりにゴム紐を用いたロング・パンツが一般的。すててこの名の起りは,1880年ころ,寄席芸人三遊亭円遊が長くて太いパッチを出して踊った〈すててこ踊〉からといわれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「すててこ」の意味・わかりやすい解説

すててこ

男子用下着の一種。ゆるみの多いズボン形式で、丈は膝(ひざ)の下まで、上部は紐(ひも)またはゴム紐を用い、前股上(またがみ)があき、ボタン掛けになっている。布地キャラコ、綿クレープ、レーヨンなどの白無地でつくられる。夏季用ズボン下に用いられ、汗をかいても足にくっついたり、まつわりついたりすることがなく歩きやすい。家庭内でのくつろぎ着とすることもある。近年はズボンの線がくずれるといい、使用されることが少なくなっている。

[藤本やす]

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