日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストラトン」の意味・わかりやすい解説 ストラトンすとらとんStratōn(?―前270/268ころ) ランプサコス出身の古代ギリシアのペリパトス学派の哲学者で、18年間その学派の指導者であった。自然学方面でアリストテレスの説に根本的変更を加えた。時間は数ではなく行動のなかの量であり、自然運動はものすべて重さをもつため下方に向かうとした。また世界に空虚があるとした。光や熱が物体を通過することに着目してのことである。この考えは当時の自然学者に影響を与えた。さらに自然世界の運行は自然の原因によって説明されるとして目的論を退けた。[山本 巍 2015年1月20日][参照項目] | アリストテレス学派 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストラトン」の意味・わかりやすい解説 ストラトンStratōn [生]?[没]前270頃ラムプサコス出身のギリシアの哲学者。アルケシラオスの子。テオフラストスに師事して彼の死後ペリパトス学派 (→逍遙学派 ) の学頭となる。自然学者の名で呼ばれるように主として自然学の領域に功績があり,その理論はアリストテレスの学説と原子論の折衷であった。彼はアリストテレスに従って世界はただ一つしか存在しないと説き,師の神学的自然観を放棄し,また唯物論的立場を固守してプラトンの霊魂不滅論を否定した。著作は現存しない。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報