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目的論 もくてきろん teleology

翻訳|teleology

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

目的論
もくてきろん
teleology

ギリシア語の telos+logosに由来し,人間の行為ばかりではなく,歴史的現象,自然現象も含めて,万象が目的によって規定され,支配されているとみる哲学説。機械論と対立する。アリストテレスは,事物の原因として質料因,形相因,動力因,目的因をあげ,神が究極的な目的因であるとした。

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デジタル大辞泉の解説

もくてき‐ろん【目的論】

哲学で、すべての事象は何らかの目的によって規定され、その目的に向かって生成変化しているとする立場。

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百科事典マイペディアの解説

目的論【もくてきろん】

英語teleology(ギリシア語telos〈目的,終極〉からのC.ウォルフによる造語teleologiaに由来)などの訳。事象を目的と手段の連関ないし合目的性の下にとらえようとする立場で,機械論に対する。
→関連項目有機体論

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世界大百科事典 第2版の解説

もくてきろん【目的論 teleology】

事象を目的と手段の連関において説明しようとする考え方。機械的原因とその結果の連関によって事象を説明する機械論に対立する。宇宙を一つの目的論的システムとみなす考え方は,神話的思考のうちにすでに広くみとめられるが,哲学の歴史においては,とりわけアリストテレスがそれを定式化するにあたって重要な役割を果たした。すなわち,彼は,質料と形相の結合からなる個物にあって,その事物の本質規定をなし実現されるべき形相がその目的因をなすと考え,さらに,この考えを宇宙全体の構成にも及ぼして,万物は最高の純粋な形相である神を究極目的として生成展開すると考えたのである。

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大辞林 第三版の解説

もくてきろん【目的論】

〘哲〙 目的や合目的性によって実在や行為などを解明しようとする説。歴史や人間の行為も自然現象も目的という観点で規定できるとする。アリストテレスが最初に体系的に展開した。 → 機械論

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

目的論
もくてきろん
teleology英語
Teleologieドイツ語
tlologieフランス語

世界のすべての事物の生成変化が、大いなる目的を目ざして運行している、という考え方をいう。命名はドイツの哲学者ウォルフであるが、考え方自体は非常に古く、古代においてはむしろこのほうが自然であった。ただ、この「目的」が何によって設定されているのか、具体的内容はどういうものか、となると、時代や人によって多様である。素朴なものとしては、世界のすべてが人間のためにある、という考え方があるが、最終的にはそうした世界は神によってつくられたとするのが自然であって、その意味では、古代や中世で目的論的思想が主流であったのは当然である。
 目的論が哲学的に体系化されたのは、アリストテレスにおいてであった。彼によると、すべて個物は形相と質料とから成り立つが、形相はまた個物生成の目的因でもある。だが、その個物はまたより上位の形相を目的として運動し、究極的には、世界全体が第一形相を最高目的として運動する、という。中世最盛期以降のキリスト教神学は、このアリストテレス思想を基礎とし、創造主たる神の意志を前面に出すことによって、いっそうはっきりした目的論を展開した。近代においては、キリスト教的目的論が否定され、機械的自然観がとってかわる。デカルトやスピノザあるいはF・ベーコンなど、いずれも自然科学的・数学的思考を身につけながら、目的論的思想を排除していく。しかし、18世紀に入り、カントは、一方で、現象の世界を説明する際に、自然科学的法則の絶対性を主張して必然の世界を示しながら、他方では、統制的原理として目的論的説明にも意義を認め、人間の奥底にある目的論志向にもふたたび道を開いた。しかし、従来のような目的論は、ダーウィンが出るに及んで一変する。その進化論は、個々の有機体についての目的論的思想を排するが、他方では進化そのものが新しい形の目的概念を予想させることとなった。
 目的論はこのように、初め、客観的事物の存在や生成を説明する立場の名称であったが、総じて、目的というものを基本原理とする思考全般が目的論である、ともいえる。たとえば、刑罰思想における目的刑論や、行為の価値をその目的や結果によって判定する功利主義なども、広義における目的論ということができるであろう。[武村泰男]

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世界大百科事典内の目的論の言及

【機械論】より

…機械論の再出発は17世紀初頭のヨーロッパで行われた。その背景には中世における建築技術の発達や機械時計の完成,さらに大砲の開発による投射体の運動の研究や航海術の進歩に伴う位置決定の課題などがあったのであるが,17世紀はじめに,それまで支配的な自然観・社会観であった目的論的・有機体論的なアリストテレス主義と,隠れた性質を認めるヘルメス主義を批判してF.ベーコンが新しい要素論を唱え,デカルトが魂と物体を明確に区別して物体から内的目的や隠れた性質を排除し,自然を〈延長〉としてとらえ,運動を位置の変化として幾何学的に研究する方法を打ち立てて,近代の機械論が成立した。すなわちデカルトは,当時完成した機械であった時計をモデルとして,自然を外から与えられる運動によって〈法則〉に従って動く部分の集合であると見たのである。…

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