ストリップミル(読み)すとりっぷみる(その他表記)strip mill

デジタル大辞泉 「ストリップミル」の意味・読み・例文・類語

ストリップ‐ミル(strip mill)

帯鋼連続的に加工する圧延機

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精選版 日本国語大辞典 「ストリップミル」の意味・読み・例文・類語

ストリップ‐ミル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] strip mill ) 帯鋼(おびこう)を連続圧延する装置。〔現代日本技術史概説(1956)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストリップミル」の意味・わかりやすい解説

ストリップ・ミル
すとりっぷみる
strip mill

広幅帯鋼の連続圧延機。プロセスからプロセスへコイルの形で移動させる薄板圧延法が1920年代のアメリカに始まり、全世界に広まった。熱間ストリップ・ミルの形式には全連続式と半連続式とがあり、後者は一台の逆転式粗圧延機で粗圧延を行う点が前者と異なる。代表的なものは粗スケールブレーカー、鋳鋼ロールをもつ粗圧延機、六台のチルドロールをもつ四段仕上げ圧延機を直列にした構造になっている。冷間ストリップ・ミルの形式には単独スタンド可逆転式、3~6スタンド連続タンデムミルなどがある。六スタンド連続式タンデムミルの最高速度は1分間に7000フィートにも達する。いずれも品位の高い鋼板を大量に廉価に、かつ任意の長さで得られ、昔のプルオーバー圧延機に比べて著しく生産性が高い。

[志村宗昭]

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百科事典マイペディア 「ストリップミル」の意味・わかりやすい解説

ストリップミル

厚い鋼板から帯状の薄い鋼板(ストリップ)を製造する連続式圧延機。1920年代に米国で開発,自動車生産の増加による薄鋼板需要の急増と品質の高度化の要求で急速に発展し,従来のプルオーバーミルを駆逐した。量産性,高寸法精度,高歩留りで低コストなどの特長をもつ。ふつう4〜6台の4重式圧延機が縦に結合され,各圧延機の速度・圧下量は一定の関係に制御されていて,一度通過させるだけで所定の厚さの製品が得られる。ホットストリップミル(熱間)で1.2mm程度に,コールドストリップミル(冷間)でさらに薄く圧延,両者の組合せにより鋼片から最小0.2mm程度のものが自動的に生産される。
→関連項目圧延機鋼板分塊圧延機

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストリップミル」の意味・わかりやすい解説

ストリップ・ミル
strip mill

鋼,アルミニウム,銅などを圧延して帯状の薄板を作る連続式圧延機。鋼板の場合,加熱炉で熱された鋼塊 (スラブ) を粗圧延機で厚さ数十 mm程度に圧延し,さらに仕上げ圧延機で厚さ数 mmに圧延した薄板をコイル状に巻取る。このホットコイル (熱延鋼板) を加熱しないでもう1度ストリップ・ミルで連続圧延して得られるコールドコイル (冷延鋼板) は,強度と精度がさらによいので,自動車のボディ用の薄板などに用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ストリップミル」の意味・わかりやすい解説

ストリップミル
strip mill

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世界大百科事典(旧版)内のストリップミルの言及

【圧延機】より

… 1900年前後に電動機が使用されるようになると,動力の制御の面で非常に大きな可能性が与えられた。すなわち,速度制御,出力制御,可逆性などがかなりの正確度で可能となり,圧延機を数台近接して配列し,1本の材料を連続して圧延するストリップミルstrip millと呼ばれるタンデム形式の連続圧延機や,同一圧延機で何回も往復して圧延する往復(可逆式)圧延機reversing millなどが続々と開発され,また圧延機の速度も飛躍的に上昇した。第2次大戦前は往復圧延機のほうが速度が速かったが,戦後の計測と制御の技術進歩によって,1980年代にはタンデム圧延機のほうが高速となり,さらに電子技術の進歩,圧延の現象面からの特性についての理解の深化などによって,圧延機操作の自動化と高速化とが可能となった。…

【鉄】より

… 圧延法も変貌しつつある。20世紀前半期にアメリカで薄板と線材の連続圧延が完成し,戦後は薄板連続圧延(ストリップミル)が日本およびヨーロッパに大規模に導入されるに至った。さらに造塊(鋼塊)―分塊(鋼片)―製品圧延(鋼材)という旧来方式は,溶鋼の連続鋳造の工業化によって大きく変わりつつある。…

【鉄鋼業】より

…20世紀に入ってからの鉄鋼技術の発展は,既成の製銑→製鋼→圧延の各工程の大型化,高速化,連続化の積重ねである(ただし,電気炉製鋼法による特殊鋼の製造は別)。とくに1920年代のアメリカにおいて出現したストリップミル(連続式圧延機)は圧延工程の連続化,高速化,大能力化を飛躍的に進めた。圧延工程の技術革新に伴って分塊(鋼の塊を適当な大きさに切断する)工程の能力も拡大した。…

※「ストリップミル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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