ストー(読み)すとー(その他表記)Randolph Stow

デジタル大辞泉 「ストー」の意味・読み・例文・類語

ストー(Harriet Elizabeth Stowe)

[1811~1896]米国の女流小説家。通称ストー夫人。当時の奴隷制度を批判した「アンクル=トムの小屋」は国内外で大きな反響を巻き起こし、南北戦争への気運を高めた。

ストー(Stowe)

米国バーモント州北部の町。同州で最も標高が高いマンスフィールド山があり、夏は避暑地として、冬はスキーリゾートとして観光客でにぎわう。

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精選版 日本国語大辞典 「ストー」の意味・読み・例文・類語

ストー

  1. ( Harriet Elizabeth Beecher Stowe ハリエット=エリザベス=ビーチャー━ ) アメリカ女流作家。ストー夫人の名で知られる。キリスト教的人道主義立場から、黒人奴隷の悲惨な境遇を書いた「アンクル=トム小屋」は奴隷解放の気運に大きく貢献した。(一八一一‐九六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストー」の意味・わかりやすい解説

ストー(Randolph Stow)
すとー
Randolph Stow
(1935―2010)

オーストラリアの小説家、詩人。ウェスタン・オーストラリア州ジェラルトン生まれ。ウェスタン・オーストラリア大学卒業後、人類学に興味を寄せ、僻地(へきち)の宣教師ニューギニアの政府研究所助手を経て、イギリスのリーズ大学、母校、カナダやヨーロッパの大学講師を務めた。小説『幽霊の出る地』(1956)、『傍観者』(1957)、『島へ』(1958)、詩集『第一幕』(1957)を発表。1958、1959年の2回オーストラリア文芸協会賞、マイルズ・フランクリン賞(1958)など各文学賞を受賞、新世代の代表作家、詩人と目された。そののちも長編『海中の回転木馬』(1965)、『野生児ミッドナイト』(1967)、詩集『偽(にせ)の沈黙』(1969)、音楽劇『ドニソン嬢の気まぐれ』(1974)などがある。1979年発表の『ビジタンツ』は、パトリック・ホワイト文学賞を受賞した。象徴主義的手法も駆使し、この国の文学に新たな深みと活力を与えた。1987年には、ウェスタン・オーストラリア州で「ランドルフ・ストー小説と詩賞」が設立された。

[平松幹夫・古宇田敦子]


ストー(Harriet Elizabeth Beecher Stowe)
すとー
Harriet Elizabeth Beecher Stowe
(1811―1896)

アメリカの女流小説家。コネティカット州のカルビン主義(会衆派)の牧師の家庭に生まれる。キリスト教的人道主義の立場から『アンクル・トムの小屋』(1852)を書き、奴隷制反対の感情を全米的に盛り上げ、南北戦争の気運を促進した。多作家で、ニュー・イングランドの地方色豊かな小説が多く、『牧師の求婚』(1859)、『オールドタウンの人々』(1869)はその代表作。数回イギリスに旅行し、バイロン卿(きょう)の近親相姦(そうかん)を暴露、イギリス国民の不興を買ったこともある。

[関口 功]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストー」の意味・わかりやすい解説

ストー
Stowe, Harriet (Elizabeth)

[生]1811.6.14. コネティカット,リッチフィールド
[没]1896.7.1. コネティカット,ハートフォード
アメリカの女流作家。旧姓 Beecher。結婚後奴隷の悲惨な生活を知り,キリスト教的人道主義の立場からこれを批判した『アンクル・トムの小屋』 Uncle Tom's Cabin (1852) を書き,一躍大きな反響を呼び,南北戦争を引起した原因の一つとまでいわれた。その他『オールドタウンの人々』 Oldtown Folks (69) などニューイングランドの地方色豊かな作品,歴史小説,社会小説など著書多数。

ストー
Stow, John

[生]1525. ロンドン
[没]1605.4.6. ロンドン
イギリスの歴史家,古代研究者。初め洋服商で,1570年代から古記録の研究に転じた。チョーサー作品集の編者でもあり,『イギリス年代記』 The Annales of England (1580) も著わしたが,最も重要な著作はロンドンの風物を紹介した『ロンドン大観』 Survey of London (98) 。

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世界大百科事典(旧版)内のストーの言及

【庭園】より

…この新しい庭はふつう〈風景式庭園〉と総称されるが,イタリアとフランスの庭がそれぞれの地形的特性をよく生かしたものであったように,それはイギリスのゆるやかな起伏をもつ丘陵の牧歌的な風景をその基盤においたものであった。 フランス風の整形庭園を攻撃する文章によってこの風景式庭園誕生の先鋒となった人としては,シャフツベリー伯,アディソン,ポープらがいるが,現実の庭園としてはストーStowe(バッキンガムシャー)のテンプル家の館が最初期に属する。この設計は最初ブリッジマンCharles Bridgeman(?‐1738)によって行われ,彼は庭と外界の境に一種の堀割であるハハーHahahを導入して,何さえぎるものなく眺望が周囲の自然にとけ込んでいくように工夫した。…

※「ストー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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