スポーツ庁(読み)スポーツチョウ

デジタル大辞泉 「スポーツ庁」の意味・読み・例文・類語

スポーツ‐ちょう〔‐チヤウ〕【スポーツ庁】

スポーツに関する施策を総合的に推進することを任務とする行政機関文部科学省外局として平成27年(2015)10月発足

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共同通信ニュース用語解説 「スポーツ庁」の解説

スポーツ庁

トップ選手強化や市民レベルのスポーツ振興などに専門的に取り組む新たな官庁。施設を整備する国土交通省健康増進を担う厚生労働省など、多くの府省に分散するスポーツ関連事業を調整し、施策の効率的な実施を目指す。2011年に成立したスポーツ基本法の付則にスポーツ庁の検討が盛り込まれ、2年前の東京五輪・パラリンピック決定で動きが加速。ことし5月に設置が決まった。

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知恵蔵 「スポーツ庁」の解説

スポーツ庁

2015年10月、文部科学省の外局として新しく設置される庁。長官の下に「政策課」「スポーツ健康推進課」「競技力向上課」「スポーツ国際課」「オリンピック・パラリンピック課」の5課が置かれ、スポーツ行政を統括的に推進する司令塔としての役割が期待されている。有識者による「スポーツ審議会」も開催される予定。発足時の陣容は、文科省の「スポーツ・青少年局」の職員に、内閣府国交省・環境省・外務省を含む7府省の関連部署の職員や民間人が加わった約120人体制。
スポーツ界では、20年に開催される東京五輪・パラリンピックに向けた選手強化や施設拡充、各競技団体への支援を期待する声が強いが、長期的には、「スポーツ基本法」(11年制定)が掲げる「国民の心身の健全な発達」「明るく豊かな国民生活の形成」「活力ある社会の実現」「国際社会の調和ある発展」という理念の実現を目指している。とりわけ、スポーツを通した健康増進によって、年間約40兆円に膨れ上がった医療費を抑制することが期待されている。
一方、新庁の設置は行財政改革に逆行する、政府や官僚のスポーツ界への介入を増大させる、などという不安の声もある。14年には、国連で「スポーツの独立性と自治の尊重」が決議されている。しかし、同庁設立の法案を審議する国会では、少子高齢化の中での将来的な医療費削減という点に加え、縦割りの弊害を無くし、スポーツという独立した教育行政を効率よく運営するという目的に、共産党を含む全党が一致した。初代長官は文科大臣が任命するが、現在(15年6月)、五輪を始めとする国際大会のメダリストや主要競技団体の役員経験者の名が挙がっている。

(大迫秀樹 フリー編集者/2015年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スポーツ庁」の意味・わかりやすい解説

スポーツ庁
すぽーつちょう

日本のスポーツ行政を一元的に担う文部科学省の外局。2015年(平成27)2月に閣議決定、同年の通常国会で成立した改正文部科学省設置法に基づき、2015年10月発足。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けた選手強化、スポーツ人口の裾野(すその)拡大、国民の健康増進、障害者スポーツの充実・振興、スポーツを通じた国際貢献や地域振興、国際スポーツ大会の日本招致などを担当する。文部科学省の学校体育振興や国際競技力向上を担う「スポーツ・青少年局」を母体に、国土交通省の運動施設部門、厚生労働省の健康増進部門、外務省のスポーツ国際交流部門など、複数省庁にまたがるスポーツ関連部署を統合する。「政策課」「スポーツ健康推進課」「競技力向上課」「スポーツ国際課」「オリンピック・パラリンピック課」の5課を設置。2011年に成立したスポーツ基本法は附則第2条で「政府は、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツ庁及びスポーツに関する審議会等の設置等行政組織の在り方について、政府の行政改革の基本方針との整合性に配慮して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と明記している。2012年12月、首相安倍晋三(あべしんぞう)が文部科学大臣にスポーツ庁設置について検討するよう指示し、設置の動きが進んだ。

[矢野 武 2015年9月15日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スポーツ庁」の意味・わかりやすい解説

スポーツ庁
スポーツちょう
Japan Sports Agency

スポーツに関する施策を司る国の行政機関。2015年10月1日,複数の省庁にまたがっていたスポーツ行政を一元化し,文部科学省外局として新設された。文部科学省のスポーツ・青少年局を母体とし,スポーツの振興,スポーツに関する施策の総合的な推進を任務とする。長官のもとに次長,審議官を配し,総括・管理業務,戦略的広報などに携わる政策課,スポーツの普及,地域スポーツクラブの育成などをはかるスポーツ健康推進課,選手強化を支援する競技力向上課,スポーツを通じた国際貢献などを推進するスポーツ国際課,2020年までの設置期限が設けられているオリンピック・パラリンピック課の 5課を置く。初代長官は日本水泳連盟会長の鈴木大地。

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知恵蔵mini 「スポーツ庁」の解説

スポーツ庁

スポーツ基本法の規定により、国が2015年度をめどに創設を検討している行政機関。20年の東京五輪・パラリンピックの開催準備や競技振興などのスポーツ行政を一元的に担うもので、複数の省庁にまたがるスポーツ行政の関係機構を統合し、文科省の外局とする方向で検討が進められている。当初は15年4月の発足を目指していたが、14年10月に、15年秋に先送りされることが発表された。

(2014-10-23)

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