出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
中央アジア、カザフスタン共和国北東、東カザフスタン州の都市。ロシア語ではセミパラチンスクSemipalatinskと称する。イルティシ川両岸を占め、右岸に河港をもつ古くからの農産物加工業都市。人口26万9600(1999)、32万3591(2019推計)。食品工業、軽工業の一大中心地で、精肉コンビナートをはじめ、羅紗(らしゃ)、皮革製造などのコンビナートや製粉工場がある。一方右岸の河港内には、機械化された港湾施設をもつ船舶修理工場があり、セメント、ケーブル、建築資材製造などの工場も活気を呈している。ロシアのクズバス炭田とアルマトイを結ぶ鉄道の要衝で、経済、学術、文化の中心地でもある。1718年に要塞(ようさい)として建設されて以来、西シベリアとの交易の中心地として発展した。また、ソ連時代にはポリゴンとよばれる大規模な核実験場があり、1949年から1989年までの間に400回以上の実験が繰り返された。実験場は1991年に閉鎖令が出され、閉鎖作業は2000年に完了したが、放射能汚染の影響とみられる健康被害が問題となっている。
[山下脩二]
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