そそ

精選版 日本国語大辞典 「そそ」の意味・読み・例文・類語

そそ

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① しずかに吹く風の音を表わす語。そよ。
書紀(720)顕宗即位前・歌謡「倭(やまと)は そそ茅原(ちはら) 浅茅原の 弟日(おとひ)
※為相本曾丹集(11C初か)「荻の葉に風のそそ吹く夏しもぞ秋ならなくにあはれなりける」
② ちょっと動くさま、わずかにゆれるさまなどを表わす語。
※霊異記(810‐824)中「事の咎、動(ソソともすること)有らば、我等何に作(せ)む。〈国会図書館本訓釈 動 伊ヤ可母 又云也々母 又云曾々土毛寸流去土〉」
③ しずかに動作するさまを表わす語。そっと。しずかに。
申楽談儀(1430)よろづの物まねは心根「ときどきそそとかほなど見あげたるべし」
④ わずかなさま、程度の軽いさまを表わす語。
※両足院本山谷抄(1500頃)一二「此詩は楽天が詩をそそとなをいて」

そそ

〘名〙
女子陰部異称。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② (「そぞ」とも) 衣服の下のへりの部分。すそ。
滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)八「わしつひに、此上下をきたこんがない。コリャアこのそぞへ脚をつつこみませずか」

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デジタル大辞泉 「そそ」の意味・読み・例文・類語

そそ[副]

[副]
かすかに吹く風の音を表す語。そよ。
「荻の葉に風の―吹く夏しもぞ秋ならなくに哀れなりける」〈続詞花・夏〉
静かに動くさま。そっと。
「―と物を言うて給はれ」〈咄・露がはなし・三〉

そそ[名]

女性の陰部の異称。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「そそ」の読み・字形・画数・意味

粗】そそ

あらあらしい。

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】そそ

不安なさま。

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俎】そそ

祭時の肉。

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】そそ

粗末。

字通「」の項目を見る

【粗】そそ

粗忽。

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【疎】そそ

粗末。

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