(読み)ソ

デジタル大辞泉 「疎」の意味・読み・例文・類語

そ【疎】

[名・形動]
間がすいていること。まばらなこと。また、そのさま。「人口密度地域」「天網恢々かいかいにして漏らさず」⇔
関係が薄いこと。うといこと。また、そのさま。「級友との仲がになる」⇔しん
[類語]まばらちらほらかすかすすかすかかさかさがさがさぱさぱさぱさつくちらばらぱらぱらばらばらぽつぽつちりぢりちりぢりばらばらてんでんばらばらてんでばらばら離れ離れ点在散在四散散乱

そ【疎】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]うとい うとむ まばら おろそか
一つ一つ離れている。まばら。「疎開疎密疎林過疎空疎
人と人との関係にすきまがある。親しくしない。うとい。「疎遠疎外疎隔親疎
おろそか。大ざっぱ。粗末。「疎食そし疎放疎略疎漏
間をあけて通す。「疎水疎通

おろ【疎】

[接頭]動詞・形容詞などに付いて、少し、わずかに、ぼんやり、などの意を表す。「おぼえ」「ねぶる」「よし」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「疎」の意味・読み・例文・類語

そ【疎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. まばらなこと。あらいこと。大まかでざつなこと。また、そのさま。粗。
    1. [初出の実例]「Sona(ソナ) モノ」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
    2. 「食は舂き方も疎にして料理も下手」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉五)
  3. うといこと。親密でないこと。関係のうすいこと。また、そのさま。疎遠。
    1. [初出の実例]「視不安之㒵と云が近ぞ余説は皆疎なぞ」(出典:史記抄(1477)八)
  4. 注意のゆきとどかないこと。おろそかなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「御報も批判もしみじみならず候。疎なる所々御免被成可下候」(出典:正秀宛芭蕉書簡‐元祿四年(1691)正月一九日)

うとまし【疎】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙うとましい(疎)

おとまし【疎】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙おとましい(疎)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「疎」の読み・字形・画数・意味


11画

(異体字)疎
12画

[字音] ソ・ショ
[字訓] とおる・うとい・あらい

[説文解字]

[字形] 形声
いま常用漢字に疎を用いるが、正字。ともに疋(しよ)声。疋は(そ)。爻(こう)はあらめの模様。の爻に代えて、(そ)(あらい)のを加えた形。〔説文十四下に「ずるなり」とあり、通の意と、野の意とに用いる。野は粗野。字はまた疎に作り、・疎は同字であるが、上通には、疎略・疎忽には疎を用いる。字に慣用上の相違があるが、いま同字として扱う。

[訓義]
1. とおる、あらい目のところをとおる、両者の間をさわりなくする、とおす。
2. のぞく、ひらく、わかれる。
3. うとい、うとんずる、とおい、まばら、まれとなる。
4. あらい、大きい、そまつ。
5. 疋に通じ、あしはだし
6. 俗に疎に作る。

[古辞書の訓]
和名抄 辨色立に云ふ、瓦、々美加波良(つつみかはら)〔名義抄 ヒラク・ウトシ・ウトムズ・ソネム・ツミ・ヲサム・シタガフ・トホシ・ノゾク・ホル・オロソカニ・オロソカナリ・ヒロシ・ヒロム・ケヅル・ウタタ・スル・ヱル・シル・ワカツ・シルス・マド・カヨフ・ツク・ホル 〔字鏡集〕・疎 シル・ホル・シルス・トホル・フクロフ・トホシ・スカス・ヱル・ノゾク・ウトシ・コトハル・ヒラク・ワカツ・カンガフ・ウツヲ(ロ)ナリ・ウカガフ・ソネム・シタガフ・フサグ・ヒロシ・ケヅル・ハラフ・マコト・ツク・コトハル・カヨフ・オソシ・オホ(ロ)ソカナリ・ツクロフ・ワカツ・ヨソ・スル・クル・スカタ(ス)・ヱレリ・ヲサム・ムス・マドカ

[語系]
(疎)・shiaは同声。粗tsaも声義が近い。略・忽は粗と通用の義で、その義には慣用として疎を用いる。語彙は疎字条参照。

[熟語]

[下接語]
・稀・綺・義・空・決・献・交・抗・講・自・手・書・章・上・情・親・牋・草・奏・注・披・扶・敷・分・弁・密


常用漢字 12画

[字音] ソ・ショ
[字訓] うとい

[字形] 形声
声符は疋(しよ)。もとの俗字。のち、あらい、まばら、うといの意にこの字を用いることがあるが、上通の意には用いることがない。束はものを束ねる意。その結束緩なることをいう字であろう。梁の簡文帝の〔初秋詩〕に「疎螢(そけい)」、〔論衡、非韓〕に「黨疎す」のように用いる。束ねることの疎緩であることから、疎遠・疎の意となる。

[訓義]
1. あらい、ゆるやか、まばら。
2. とおい、いやしい。
3. うとい、おろか。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕疎 ヱレリ・ウトシ・コトハル・トホル・シル・ホル・スカス・ヒラク・トヲ(ホ)シ・ツク・ノゾク・ツクロフ・ワカツ・カムガフ・ハラフ・ウツヲ(ロ)ナリ・カヨフ・ヲソシ

[語系]
疎()・shia、粗tsaは声義近く、疎略・疎忽などには疎を用いることがある。*語彙は字条参照。

[熟語]
疎簡・疎忌疎虞・疎蛍・疎嫌・疎絶・疎疎緻・疎・疎野・疎籬・疎林
[下接語]
疎・過疎・外疎・寒疎・間疎・寛疎・簡疎・頑疎・稀疎・空疎・疎・森疎・親疎・生疎・拙疎・扶疎・密疎・離疎・林疎

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android