食の医学館 「その他の豆類」の解説
そのほかのまめるい【その他の豆類】
《栄養と働き》
<クロマメ>
○栄養成分としての働き
ダイズの一種で、ダイズとほぼ同じ栄養成分をもっています。良質のたんぱく質、ビタミンB群、E、カルシウム、食物繊維が豊富。高血圧や動脈硬化、便秘(べんぴ)予防に効果的です。
リノール酸、レシチンにも富むので血管の老化を防ぎ、常食していると動脈硬化の予防や腎臓(じんぞう)・肝臓の強化に役立ちます。不要な水分や老廃物を排出する働きもあり、リウマチ、むくみの改善も期待できます。そのほか、ホルモンバランスを調整する補腎(ほじん)作用があり、老化や更年期症状を緩和する働きがあります。
また、サポニンやアントシアニンを含み、クロマメの煮汁はのどの炎症をやわらげるので、昔からかぜでのどが痛むとき、煮汁をおかゆで割って食べるとよいとされています。
<レンズマメ>
地中海沿岸地方と西アジア地域が原産地で、ヒラマメとも呼ばれます。
○栄養成分としての働き
たんぱく質、炭水化物を多く含み、食用の乾燥豆のなかでも栄養価が高いのが特徴です。とくに鉄分や亜鉛(あえん)などのミネラルが期待できます。
また、免疫系を活性化させるレクチンを多く含んでいる点も見逃せません。レクチンは細胞膜の表面にある糖たんぱく質や糖脂質などの糖複合体と特異的に結びつき、細胞を活性化させる働きをもっています。その結果、がん細胞などにダメージを与えます。また、ビタミンB1、B2、B6も多く、疲労回復に効果的です。
水につけておかなくてもそのまま洗って煮込めるので、手軽に利用できます。
<ヒヨコマメ>
西アジア原産の豆で、表面がデコボコしていて、クチバシ状の突起があり、その形がヒヨコに見えることからこの名がつきました。日本ではフライにして塩で味付けしたものがビールのつまみとして使われます。ヨーロッパやアラブでは煮込み料理やスープに多用されています。
○栄養成分としての働き
カリウムを100g中1200mg含み、ゆでても100g中350mgと含有量が多いので、ナトリウムの排泄(はいせつ)をうながし、高血圧予防に役立ちます。ビタミンB1も100g中0.37mgと多く、疲労回復に効果的です。
<リョクトウ>
緑色のマメでインドが原産地。中国では、春雨の原料にされ、わが国では、ダイズとならびモヤシの原料として使われています。中国では夏バテをしたときに、リョクトウのでんぷんでつくった麺(めん)をゆがき、鶏スープで食べるそうです。体の熱を逃がして暑さをやわらげる性質をもっているので、夏バテ対策に適した食品といえます。
○栄養成分としての働き
ゆでたリョクトウにはカルシウムが100g中32mg、ナトリウムを排泄する働きのあるカリウムが320mg、疲労回復に効果的なビタミンB1が0.19mg含まれています。