改訂新版 世界大百科事典 「まめ」の意味・わかりやすい解説
まめ
blister
主として手足に,くり返し機械的刺激が働いたために生ずる,豆のような小さい水疱(水ぶくれ)のことである。非常に軽い機械的刺激が反復して作用した場合には,〈たこ〉や〈魚の目〉が発生するが,まめはそれらに比べて,もう少し急激な刺激があるときに起こる。手に強い力が加わる運動や力仕事を過度にしたときなどは,手のひらの指のつけ根に近い部分や指の屈側にできる。また,なれない靴,サンダル,下駄などでは,すれて刺激を受けた部分にできる。最初は赤くなって痛みを生じ,進行すると,表皮と真皮の間にリンパ液などがたまり,水ぶくれが発生する。その中に少量の血液がまざると赤色となる。これが血豆である。また,表皮がはがれて糜爛(びらん)面になると,痛みがいっそう強くなる。機械的刺激を避けるように努め,局所を消毒して化膿しないように注意し,ガーゼのついた絆創膏をはっておくか,糜爛面を生じている場合などは,抗生物質軟膏をはっておくとよい。
執筆者:藤沢 竜一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報