タマアジサイ(読み)たまあじさい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タマアジサイ」の意味・わかりやすい解説

タマアジサイ
たまあじさい
[学] Hydrangea involucrata Sieb.

ユキノシタ科(APG分類:アジサイ科)の落葉低木。高さ約1.5メートル。葉は対生し、葉身は楕円(だえん)形で先はとがり、長さ10~20センチメートル、縁(へり)に細い鋸歯(きょし)があり、両面に粗い毛が密生してざらつく。7~9月、枝の先に多数の淡紫色の花を散房状につける。花序の周りには、萼片(がくへん)が大きくなり、花弁状に変化した装飾花がある。花弁は4~5枚、雄しべは約8本で花弁より長い。花序は若いときには総包葉に丸く包まれて球形をしているので、この名がある。山地木陰に生え、東北地方南部から中部地方に分布する。

[若林三千男 2021年3月22日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマアジサイ」の意味・わかりやすい解説

タマアジサイ(球紫陽花)
タマアジサイ
Hydrangea involucrata

アジサイ科の落葉小低木で,本州中北部および四国に分布し,山地の樹陰に生える。葉は対生し長さ 10~20cmの楕円形で薄く,表裏ともに粗毛があり,特に裏面に粗い毛が目立つ。夏に,枝先に散房花序をなして淡紫色の花をつける。花には両性花と装飾花の 2種類があり,花序の中央部に多数の両性花が,外周部に装飾花が並ぶ。装飾花の萼は花弁状で大きい。若い花序が数枚の総包で包まれて球形をなすのが特徴で,和名もこれに基づく。

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百科事典マイペディア 「タマアジサイ」の意味・わかりやすい解説

タマアジサイ

ガクアジサイ

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世界大百科事典(旧版)内のタマアジサイの言及

【アジサイ】より

…葉に甘味成分を有する系統がヤマアジサイ類のなかにあり,アマチャと呼ばれる。このほかアジサイ属には,ノリウツギ,タマアジサイ,ツルアジサイ,コアジサイ,ガクウツギなど数種が日本の山地に自生する。ノリウツギH.paniculata Sieb.(イラスト)は高さ2~3mに達する落葉低木で,夏に円錐花序に多くの白い花をつけ,周りに装飾花がある。…

※「タマアジサイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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