ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タルドノア文化」の意味・わかりやすい解説
タルドノア文化
タルドノアぶんか
Tardenoisian culture
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北フランス、タルドノア地方のコワンシー、ブリュイェール両遺跡の遺物をもとに定義された中石器時代の文化。台形石器の作り方に特色があり、石刃(せきじん)の両縁に凹部をつくり、そこを折っている(タルドノア技法)。北フランスを中心に分布し、紀元前8000年ごろから前3000年以降まで存在した。南フランスでは、同じ年代にソブテール文化、シャトーヌフ文化とよばれるよく似た石器文化がみられる。新石器農耕民が肥沃(ひよく)な地に住み着いたのに対し、タルドノア文化の人々は狩猟採集の生業を続け、開地で水源に近い、しかし乾いた地に住むというように住み分けていた。そして一部は青銅器時代まで同じ生活様式を保持し続けた。
[山中一郎]
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