モルティエ(読み)もるてぃえ(英語表記)Gabriel de Mortillet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モルティエ」の意味・わかりやすい解説

モルティエ
Mortier, Gerard

[生]1943.11.25. ヘント
[没]2014.3.8. ブリュッセル
ベルギーのオペラの芸術監督,運営者。ヘント大学で学ぶ。ドイツのフランクフルト歌劇場でクリストフ・フォン・ドホナーニ,パリのオペラ座でロルフ・リーバーマンのもとで音楽監督助手を務めたのち,1981年ブリュッセルのモネ劇場総裁に抜擢され,1991年まで務めた。その後,1991~2001年ザルツブルク祝祭総監督,2004~09年パリ・オペラ座総裁,2008~13年スペインのテアトロ・レアル総裁を歴任,各劇場で前衛オペラを上演した。伝統的なオペラに斬新な演出を加えたほか,ジョン・アダムズの『クリングホッファーの死』Death of Klinghoffer(1991),フィリップ・グラスの『パーフェクト・アメリカン』The Perfect American(2013)などの委嘱作品を上演し,論争を引き起こした。最後に手がけた舞台は,アニー・プルーの小説をオペラ化した『ブロークバック・マウンテン』Brokeback Mountainで,2014年1月に初演された。

モルティエ
Mortillet, (Louis-Laurent-Marie) Gabriel de

[生]1821.8.29. グルノーブル近郊
[没]1898.9.25. サンジェルマン
フランスの考古学者。先史時代の時代区分を初めて提唱したことで知られ,特に旧石器時代細分を行なった。 1864年アンシー博物館館長,68年サンジェルマン考古博物館館員となり,以後 17年間同博物館の副評議員をつとめた。 76年以後終生,人類学研究所の教授。この間 85年サンジェルマン市長,国会議員などもつとめた。主著『先史博物館』 Musée préhistorique (1881) ,『人類の先史時代』 Le préhistorique: antiquité de l'homme (83) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルティエ」の意味・わかりやすい解説

モルティエ
もるてぃえ
Gabriel de Mortillet
(1821―1898)

フランスの考古学者。最初、機械工学地質学古生物学を学んだ。二月革命に連座し、1848~63年までスイス亡命。のちにサン・ジェルマン古代美術博物館長、人類学研究所教授を歴任。モルティエ編年とよばれる標準型式を用いた編年体系を公表した。そのなかで、旧石器時代に、ムスティエ→ソリュートレ→オーリニャック→マドレーヌの四文化段階を設けた。

[山下秀樹]

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