だぶだぶ(読み)ダブダブ

デジタル大辞泉 「だぶだぶ」の意味・読み・例文・類語

だぶ‐だぶ

[副](スル)
容器液体がたくさん入っていて揺れ動くさま。「バケツの水がだぶだぶ(と)揺れる」「ビールの飲みすぎで腹がだぶだぶ(と)する」
液体がたくさんふりかかるさま。「ソースだぶだぶ(と)かけて食べる」
衣服などが大きすぎてゆるいさま。また、太りすぎて、肉がたるんでいるさま。ぶかぶか。「兄のお下がりのだぶだぶ(と)したズボン
《「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」にかけて》経を読むさまを表す語。
「ここに―といふ僧あれば、かしこにぶうぶうをいふ俗あり」〈滑・浮世風呂・前〉
[形動]
1に同じ。「飲みすぎで腹がだぶだぶになる」
3に同じ。「だぶだぶなシャツ」
アクセントブダブ、はダブダブ
[類語]3がばがばぶかぶかだぼだぼだぶつくゆるいゆったりゆるやかゆるゆる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「だぶだぶ」の意味・読み・例文・類語

だぶ‐だぶ

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 水などの液体が容器の中に豊富にあって揺れ動くさま、また、あふれるように多量にあるさまを表わす語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・七番日記‐文化七年(1810)八月「常留守の門にだぶだぶ清水哉」
② 水などが勢いよくたっぷりとふりかかるさまを表わす語。また、比喩的に、物事が次々に出るさまをもいう。
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「ソリャ、だぶだぶだぶだぶ。〈略〉温(あった)で能ぞ」
③ 身につけるものなどが、大きくてゆとりのありすぎるさまを表わす語。ぶかぶか。
落葉(1889‐90)〈内田魯庵〉「『書生気質』は〈略〉西洋寐衣の如し。ダブダブとして締りなければ着心よしと珍重するもの少からず」
④ しまりなく太っているさまを表わす語。
※恋人たちの森(1961)〈森茉莉〉「顔も額も頬も、だぶだぶしてて」
⑤ (「だぶつだぶつ(陀仏陀仏)」をかけて) 称名をとなえるさまを表わす語。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四「向ふから来るたび僧は法花宗とみへて、『だぶだぶだぶだぶ。〈略〉』」
[2] 〘形動〙
① (一)③に同じ。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一六「親譲り背広をだぶだぶに着て」
② (一)④に同じ。
温泉宿(1929‐30)〈川端康成〉夏逝き「だぶだぶに脂肪のたるんだ腹の前に」
[3] 〘名〙 水または湯をさしていう。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「手桶でだぶだぶを汲んで」
[補注]類似用法の語に「たぶたぶ」があり、また、「たぶやか」などの語もあるところから、「たぶたぶ」の変化形とも考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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