デジタル大辞泉
「緩い」の意味・読み・例文・類語
ゆる・い【緩い】
[形][文]ゆる・し[ク]
1 張りぐあいや締めぐあいが弱い。また、すきまなどがあり、ぴったりとしない。「ねじが―・くなる」「くつが―・い」
2 曲がり方や傾斜などが急激でない。「―・いカーブを描く」「―・い坂」
3 激しくない。勢いが弱い。また、ゆっくりしている。「流れが―・い」
4 規則などが厳しくない。寛大である。「―・い罰則」
5 水分が多くやわらかい。「―・い便」
6 落ち着いている。のんびりしていて好ましい。「喫茶店の―・い雰囲気を楽しむ」
7 大ざっぱである。生ぬるい。また、しまりがなく、だらしない。「食うこと以外は何もしない―・い生活」
8 気持ちがたるんでいる。怠慢である。
「警固の―・くありける隙を得て」〈太平記・一七〉
[派生]ゆるげ[形動]ゆるさ[名]
[類語]1ぶかぶか・がばがば・だぶだぶ・ゆるゆる・だぼだぼ・だぶつく・ゆったり・ゆるやか2なだらか・緩やか・だらだら
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ゆる・い【緩】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]ゆる・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「ゆる(緩)」「ゆるす(許)」と同語源 ) - ① 糸や紐などを張ったり結わえたりした時に、たるみやすきまがあってきっちりしていない。また、まわりからしめつけたときの度合が弱い。たるんでいる。⇔きつい。
- [初出の実例]「今夜の結緒をゆるくむすびて、昨日成文をそれにさしはさみて」(出典:殿暦‐長治二年(1105)正月二六日)
- 「鬆(ユル)く肩に纏へる外套めきたる褐色の布は垢つきよごれ」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉古祠、瞽女)
- ② 入れ物が大きくて中身とぴったり密着しない。
- [初出の実例]「クツガ yurui(ユルイ)」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
- 「大抵は義雄のからだに相応してゐるが胴のところが少しゆるいので、チョッキの下に、勇の厚い綿入れ胴衣をつけた」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉九)
- ③ 水分が多くて、十分に固まってない。ねばりけがない。「糊をゆるくのばす」「ゆるいかゆ」「便がゆるい」 〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ④ 激しくない。勢いが弱い。ゆるやかである。
- [初出の実例]「風は嵐。三月ばかりの夕暮にゆるく吹きたる雨風」(出典:枕草子(10C終)一九七)
- ⑤ 動きが緩慢である。ゆっくりしている。のろい。
- [初出の実例]「奔車輪緩(ユルウ)して旋風遅し」(出典:白氏文集天永四年点(1113)三)
- 「速にすべき事をゆるくし、ゆるくすべきことを急ぎて」(出典:徒然草(1331頃)四九)
- ⑥ 厳しさがない。いいかげんである。たるんでいる。てぬるい。油断している。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
- [初出の実例]「菊池肥後守は、警固の宥(ユル)くありける隙を得て本国へ逃下りぬ」(出典:太平記(14C後)一七)
- ⑦ 寛大である。おっとりとしている。おうようである。おおらかである。
- [初出の実例]「上つ宮の王(みこ)等、性(ひととなり)順(ユルクシ)て都て罪有ること無し」(出典:日本書紀(720)皇極四年六月(岩崎本訓))
- 「心を用ゐる事少しきにしてきびしき時は、物にさかひあらそひて破る。ゆるくしてやはらかなる時は、一毛も損せず」(出典:徒然草(1331頃)二一一)
- ⑧ 変化する度合が急激でない。傾斜の角度、曲線の円弧などがなだらかである。
- [初出の実例]「それから勾配のゆるい下り坂になったが」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉一一)
緩いの派生語
ゆる‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
緩いの派生語
ゆる‐さ- 〘 名詞 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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