ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンバー」の意味・わかりやすい解説
ダンバー
Dunbar
ダンバー
Dunbar, Paul Laurence
[没]1906.2.8. オハイオ,デートン
アメリカの黒人詩人,小説家。逃亡奴隷を両親として生れ,エレベータボーイなどをしながら詩作に専心,処女詩集『オークと蔦』 Oak and Ivy (1893) ,第2詩集『長調と短調』 Majors and Minors (95) を自費出版。その2作を『下層生活の抒情詩』 Lyrics of Lowly Life (96) としてまとめ,W. D.ハウエルズの序文によって有名になった。その後は講演,イギリス旅行,国会図書館員 (97~98) の仕事などで過労がかさみ,小説に転じて矢つぎばやに作品を発表するうち結核に倒れ,33歳で早世した。主著,詩集『愛と笑いの抒情詩』 Lyrics of Love and Laughter (1903) ,『日光と影の抒情詩』 Lyrics of Sunshine and Shadow (05) ,小説『狂信者』 The Fanatics (01) ,『神々の戯れ』 The Sport of the Gods (02) など。
ダンバー
Dunbar, William
[没]1520頃
スコットランドのチョーサー派詩人。若くしてフランシスコ修道会に入り,のちこの道を捨ててジェームズ4世に仕え,外交の任務に携わった。 1501年ジェームズ4世とイギリス国王ヘンリー7世の娘マーガレットとの結婚を取り決める使節に同行。この結婚をたたえる政治的寓意詩『あざみとばら』 The Thrissil and the Rois (1503) のほか,愛の寓意詩『黄金の盾』 The Goldyn Targe,宗教的夢幻詩『七大罪の踊り』 The Dance of the Sevin Deidly Synnis,女性風刺の対話詩『二人の既婚女と未亡人』 The Twa Maryit Women and the Wedo (1508頃) などを書き,ラブレー風のユーモア,風刺,想像力を示している。
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