チボリ(読み)ちぼり(英語表記)Tivoli

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チボリ」の意味・わかりやすい解説

チボリ
Tivoli

イタリア中西部,ラツィオ州ローマ県の観光・保養都市。古代名チブル Tibur。ローマ東郊約 25km,サビニ山地西麓に位置する。前4世紀頃有力なラテン同盟の都市として長くローマに対抗したが,ついに屈した。前90年ローマ市民権を得て,ローマから東へ向かう交通の要衝,夏の保養地として発展。ハドリアヌス帝のビラをはじめ,クインツス・ホラチウスフラックスアウグスツスらの別荘が建てられ,ゼノビアもここに幽閉された。1458~64年教皇ピウス2世が城を建て,1550年にはエステ家が別荘の建設を始めた。エステ家の別荘はルネサンス様式の庭園や噴水で有名(→ビラ・デステ)。水力発電が行なわれ,製紙,化学工業が立地する。西方 8kmには硫黄泉がある。人口 5万2853(2008推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チボリ」の意味・わかりやすい解説

チボリ
ちぼり
Tivoli

イタリア中部、ラツィオ州ローマ県の都市。人口4万6364(2001国勢調査速報値)。アニエネ川が滝となって平野部に下る付近に位置する。ローマ時代(とくに前1世紀以後)には多くの神殿や別荘をもつ保養地、ルネサンス期には紙や毛織物の生産地として知られた。現在では製紙業に加えて、ゴム工業大理石製造が盛んである。大小さまざまな噴水で有名なエステ家の別荘(16世紀)、ハドリアヌス帝の別荘(2世紀)がある。

[堺 憲一]


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