チャニング(読み)ちゃにんぐ(英語表記)William Ellery Channing

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャニング」の意味・わかりやすい解説

チャニング
ちゃにんぐ
William Ellery Channing
(1780―1842)

アメリカの神学者でユニテリアン運動の指導者。ロード・アイランド州の生まれ。1798年ハーバード大学を卒業。1819年にボルティモアで行った説教「ユニテリアン・キリスト教義」のなかで、三位(さんみ)一体説に反対し、罪についての伝統的な解釈(原罪説)に対して人間の良心に神性を認め、良心の指示に従わないことを罪とした。そして翌1820年に自由主義牧師会をつくり、それが発展して1825年に「アメリカ・ユニテリアン協会」が組織された。彼は偉大な説教者というだけではなく、明晳(めいせき)な著述者でもあった。『チャニング著作集』The works of William Ellery Channingに多くの説教、論文手紙等が集録されている。チャニングの思想エマソンの超越論Transcendentalismに著しい影響を及ぼした。

[平本洋子 2018年1月19日]

『The works of William Ellery Channing (1903, American Unitarian Association, Boston)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャニング」の意味・わかりやすい解説

チャニング
Channing, William Ellery

[生]1780.4.7. ロードアイランドニューポート
[没]1842.10.2. バーモント,ベニントン
アメリカの牧師,著述家。 1803年ボストンの組合教会派の牧師に任命されたが,早くからカルバン主義的教義に批判的で,19年『ユニテリアン派キリスト教』 Unitarian Christianityと題する説教でカルバン主義を否定し,21年にはユニテリアン派の機関誌『クリスチャン・レジスター』 Christian Register創刊に参画,25年には全米ユニテリアン協会を創立した。また奴隷制反対,戦争批判などの社会運動にも活躍し,エマソン,ロングフェロー,J.R.ローエル,O.W.ホームズなどと親交があった。『国民文学論』 Remarks on National Literature (1830) はアメリカ文学のヨーロッパ文学からの独立を説いた「文学的独立宣言」として特筆すべきものである。

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