テスト・マーケティング(読み)てすとまーけてぃんぐ(英語表記)test marketing

翻訳|test marketing

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テスト・マーケティング」の意味・わかりやすい解説

テスト・マーケティング
てすとまーけてぃんぐ
test marketing

新製品を本格的に市場で販売する前に、市場の反応テストするため、試験的に選んだ限定市場(テスト・マーケット)で実際に売ってみること。テスト・マーケティングの目的は、単に意見を聞くのではなく、実際に販売してみることによって、新製品について広範で正確な情報を獲得し、本格的販売の価格、広告宣伝の戦略策定実効あるものにすることである。そのため、テスト・マーケットは、販売予定市場の諸特性を代表するものでなければならない。

 具体的には、顧客年齢性別所得家族構成のような人口学的特性や、趣味嗜好(しこう)、ライフスタイルなどの文化的特性が十分吟味されなければならない。また、テスト期間も慎重に検討されなければならない。短すぎては十分な情報が得られず、長すぎれば競争者の模倣追従が可能になるからである。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テスト・マーケティング」の意味・わかりやすい解説

テスト・マーケティング
test marketing

新製品を本格的に全国市場に導入する前に特定商圏に実験的に導入し,製品力,その販売のためのマーケティング計画・政策をチェックするとともに,販売を予測すること。テスト地域としては静岡広島が選ばれることが多いが,それは,それらの都市の生活が全国平均に近いことや,流通や広告をコントロールしやすいことなどによる。しかし,冬に夏場の製品を沖縄でテスト・マーケティングするというように,製品や課題によって選定されるテスト市場は異なっている。またテスト・マーケティングは費用がかかることや,新製品開発やテスト結果がライバル企業に察知,予測される危険性があるために,実施は減少傾向にある。

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