テデウム(英語表記)Te Deum

翻訳|Te Deum

デジタル大辞泉 「テデウム」の意味・読み・例文・類語

テ‐デウム(〈ラテン〉Tē Deum)

《神よあなたをたたえますの意》西洋音楽で、「至聖なる三位一体賛歌」と呼ばれるイムヌスとそれに付けた音楽
[補説]曲名別項。→テデウム

テ‐デウム【〈ラテン〉Tē Deum】[曲名]

ブルックナーの宗教合唱曲。ハ長調。1881年から1884年にかけて作曲。ブルックナーの宗教曲の代表作として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「テデウム」の意味・わかりやすい解説

テ・デウム
Te Deum[ラテン]

〈Te Deum laudamus(神にまします御身をわれらたたえ)〉という言葉で始まる賛歌。最初の2語をとって呼ばれる。4世紀のミラノの司教アンブロシウスの作とする説,あるいはアウグスティヌスがアンブロシウスの手で洗礼を受けたとき,霊感に打たれた二人が,その場で交互に1句ずつ作ったとする言い伝えがあるが,正確な起源は不明。ただし5世紀ないし4世紀までさかのぼることは確実で,近来の研究はガリア聖歌およびモサラベ典礼との関係を指摘している。29の詩句からなるテキストは,言葉をきわめて,神・キリスト・聖霊の三位一体をたたえるもので,古来カトリックの日曜日と祝祭日の朝課の中でグレゴリオ聖歌旋律によって歌われてきた。他方,近世に入ってからは,国家的慶事や戦勝祝賀のために,大規模かつ壮麗なスタイルで作曲されることが多い。このジャンルに属する作品には,ベルサイユの宮廷音楽総監督リュリがルイ14世の病気平癒を祝って作った曲(1677),ヘンデルイギリス国王の戦勝を祝って作曲した《デッティンゲンのテ・デウム》(1743),ベルリオーズがパリ万国博覧会に際して発表した曲(1855初演),ブリテンが第2次世界大戦の終結を神に感謝して作った《フェスティバル・テ・デウム》(初演1945)などがある。なお特定の機会に結びつくものではないが,広く知られた曲に,ブルックナー(1884),ドボルジャーク(1892),ベルディ(1896)の作品がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テデウム」の意味・わかりやすい解説

テ・デウム
Te Deum

「われ,汝を神とほめまつる」 Te Deum laudamusに始る賛歌で,すべてのラテン賛歌中最も普遍的に用いられているものである。聖務日課中,朝課 (聖公会では早祷) その他,感謝を表わすときに用いられる。その起源については諸説があり,かつてはアンブロシウスとアウグスチヌスの作とされ,近代の研究ではレメジアナの司教ニチェタ (335頃~415頃) の作とする説が有力であったが,その形式の分析によって,アリウス派の論争の始る 318年から聖霊のペルソナに関する3句の出現する 350年までの間にその原形が形成されたものと推定される。音楽作品としては,ヘンデル,サリバン,ベルリオーズ,ブルックナーらのものが著名である。

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デジタル大辞泉プラス 「テデウム」の解説

テ・デウム

オーストリアの作曲家アントン・ブルックナーの独唱・合唱と管弦楽のための宗教合唱曲(1881-1884)。原題《Te deum》。ラテン語で「神よ、あなたを称えます」を意味する。後期ロマン派の宗教音楽の最高傑作の一つと称される。

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