テトリル(読み)てとりる(英語表記)tetryl

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テトリル」の意味・わかりやすい解説

テトリル
てとりる
tetryl

正しくはN-メチル-N,2,4,6-テトラニトロアニリンという。略称CEcomposition exploding)。純粋なものは白色固体であるが、光などにより黄色に変色しやすい。N,N-ジメチルアニリンの濃硫酸溶液を硝酸、硫酸の混酸で合成する。水には溶けず、エタノールエーテルにも溶けにくいが、アセトンには溶ける。融解するとき分解する。TNTトリニトロトルエン)より爆発力が大きく、衝撃に敏感である。伝導薬、雷管用添装薬として用いられる。硫化ナトリウムを作用させると水溶性の非爆発性物質となる。

[谷利陸平]


テトリル(データノート)
てとりるでーたのーと

テトリル
分子式C7H5N5O8
分子量287.1
融点129.4℃
沸点186℃(爆発)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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