メチルアミン(英語表記)methylamine

デジタル大辞泉 「メチルアミン」の意味・読み・例文・類語

メチルアミン(methylamine)

アミン一種刺激臭をもつ無色気体動植物質が腐敗分解するときに生じる。

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改訂新版 世界大百科事典 「メチルアミン」の意味・わかりやすい解説

メチルアミン
methylamine

最も簡単な脂肪族第一アミン。化学式CH3NH2アンモニアに似た臭いのする無色の気体。融点-93.46℃,沸点-6.32℃。アンモニアよりも強い塩基(塩基解離指数pKb=3.32)である。塩漬ニシンの汁,肉を食べた後の犬の尿,トウダイグサ科などの植物中に存在する。工業的には,アンモニアとメチルアルコールとを脱水触媒上で300~500℃に加熱して作る。実験室では,ホルムアルデヒド塩化アンモニウムとを加熱してメチルアミン塩酸塩CH3NH2・HClとし,

これにアルカリを作用させてメチルアミンを得る。基礎的な合成原料で,用途はきわめて広い。
アミン
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化学辞典 第2版 「メチルアミン」の解説

メチルアミン
メチルアミン
methylamine

CH5N(31.06).CH3NH2.第一級アミンの一つ.トウダイグサ科,そのほかの植物,骨油,木材乾留液中に存在し,また動・植物質が腐敗分解するとき,アンモニアとともに生じる.メタノールやホルムアルデヒドを塩化アンモニウムと加熱してつくられる.アンモニアに似た臭気をもつ無色の可燃性気体.融点-92.5 ℃,沸点-6.7 ℃.0.699.アンモニアよりも強塩基でpKa 10.68(25 ℃).皮なめしや種々の目的で合成化学に用いられる.皮膚粘膜を刺激し薬傷を起こす.塩酸塩は吸湿性のある板状結晶で,融点232~234 ℃.[CAS 74-89-5][CAS 593-51-1:塩酸塩]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メチルアミン」の意味・わかりやすい解説

メチルアミン
めちるあみん
methylamine

脂肪族アミンの代表的なものの一つ。アンモニアの水素一原子をメチル基-CH3で置換した化合物。アンモニアに似たにおいの無色の気体。ニシンを漬けた塩水、肉を食べたイヌの尿中にみいだされる。また動植物質が腐敗分解するとアンモニアとともに生成する。メタノール(メチルアルコール)と塩化アンモニウムを塩化亜鉛とともに加熱すると得られる。水、エタノールエチルアルコール)、エーテルのいずれにもよく溶ける。普通、水溶液あるいは塩酸塩の形で取り扱われる。塩基性は、アンモニアよりも強い。

[務台 潔]


メチルアミン(データノート)
めちるあみんでーたのーと

メチルアミン
  CH3NH2
 分子式  CH5N
 分子量  31.1
 融点   -93.46℃
 沸点   -6.32℃
 比重   0.699(測定温度-10.8℃)
 臨界温度 156.9℃
 臨界圧  73.6気圧

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メチルアミン」の意味・わかりやすい解説

メチルアミン
methylamine

アンモニアの1個の水素原子をメチル基で置換した構造 CH3NH2 の化合物で,強いアンモニア臭をもつ気体。凝固点-93.5℃,沸点-6.3℃。アンモニアより強い塩基である。植物中にも見出されることがある。木酢中にも微量存在する。一般に動植物が腐敗分解するときアンモニアとともに生じる。メチルアルコール,塩化アンモニウムを塩化亜鉛と加熱することにより合成する方法がある。皮なめしに用いられたり,有機合成に使用される。

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