日本大百科全書(ニッポニカ) 「テンニンチョウ」の意味・わかりやすい解説
テンニンチョウ
てんにんちょう / 天人鳥
pin-tailed whydah
[学] Vidua macroura
鳥綱スズメ目ハタオリドリ科の鳥。同科テンニンチョウ属9種中の1種。この属はアフリカにのみ分布し、テンニンチョウはセネガル、エリトリア間以南、旧ケープ州(現・西ケープ、東ケープ、北ケープ州)にわたり生息する。全長約30センチメートル。嘴(くちばし)は赤いが頭背部は黒色、その他は白色の鳥で、繁殖期には雄の黒色の尾羽4枚がとくに長くなり25センチメートルくらいに伸びる。草原、低木林、耕地などに小群で生息し、草本の種子、漿果(しょうか)を好むが、昆虫やクモなども食べる。不安定にみえる飛翔(ひしょう)、上空での停飛と躍動などが特徴である。飼い鳥として日本への輸入も少なくない。
[坂根 干]