日本大百科全書(ニッポニカ) 「トンボエダシャク」の意味・わかりやすい解説
トンボエダシャク
とんぼえだしゃく / 蜻蛉枝尺蛾
[学] Cystidia stratonice
昆虫綱鱗翅(りんし)目シャクガ科に属するガ。はねの開張50~60ミリ。はねも腹部も細長い。腹部は橙(だいだい)色の地に、各節に黒紋を規則正しく連ねる。はねは黒く、白色の帯が1本あり、基部は白い。触角は棍棒(こんぼう)状に近いが、雌では細い。北海道から屋久(やく)島までと、対馬(つしま)、朝鮮半島、シベリア南東部から中国に分布する。成虫は年1回、初夏に発生し、昼間、食樹の近くを飛び回る。幼虫はツルウメモドキやハコネウツギに寄生するシャクトリムシで、成虫の腹部と同じような黒紋を連ね、地色は淡黄色である。
[井上 寛]