ドイツオーストリア同盟(読み)ドイツオーストリアどうめい

改訂新版 世界大百科事典 「ドイツオーストリア同盟」の意味・わかりやすい解説

ドイツ・オーストリア同盟 (ドイツオーストリアどうめい)

1879-1918年,ドイツオーストリアの間に存続した対ロシア防御同盟。単に二国同盟Zweibundとも,また独墺同盟ともよばれる。1878年ベルリン会議以後,ドイツとロシアとの関係が悪化したので,ビスマルクはオーストリアとの結合を強め,79年10月7日,両国間の秘密軍事同盟ウィーンで調印された。この条約は,締約国の一国がロシアから攻撃された場合,他の一国が共同して戦い,ロシア以外の国の攻撃をうけたときには好意的中立を守ることを義務づけていた。条約の期限は5年であったが,更新されて第1次大戦中まで存続し,また88年以降条約の存在は公表されていた。ビスマルクはこの同盟を基礎に,フランスを孤立させ,ヨーロッパの現状維持をはかる彼の多元的な外交を展開した。この同盟成立後もロシアとの関係維持の努力は続けられ,また82年からドイツ,オーストリア,イタリア三国同盟が成立したが,二国同盟はこれとは別個に存続した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツオーストリア同盟」の意味・わかりやすい解説

ドイツ・オーストリア同盟
どいつおーすとりあどうめい

1879年に締結されたドイツ帝国とオーストリア・ハンガリー帝国間の軍事同盟。ベルリン会議とオーストリアのボスニア・ヘルツェゴビナ占領(1878)を経て、バルカンをめぐってロシアと対立するオーストリアのドイツへの接近指向が、ヨーロッパの新しい勢力均衡の保持を目ざすビスマルク外交と結び付いてこの同盟が成立した。ここで、ロシアからの攻撃に際しての相互軍事援助、その他の国(フランス)からの攻撃に際しての好意的中立が約された。秘密同盟であったが、ロシアと再保障条約を結んだビスマルクはオーストリアへの配慮もあり、1888年にこれを公表した。第一次世界大戦中まで存続し、当時の国際関係や民族問題に影響を与えた。

[長場真砂子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツオーストリア同盟」の意味・わかりやすい解説

ドイツ=オーストリア同盟
ドイツ=オーストリアどうめい
Zweibund; Austro-German Alliance

独墺同盟とも呼ばれる。 1879年 10月ドイツ,オーストリア間に締結された防御同盟。ベルリン会議後,ドイツはロシアの恨みを買い,一方オーストリアとロシアの関係も悪化したので,73年の三帝同盟事実上消滅した。このためビスマルクはロシアにそなえ,オーストリアとの提携を一層強化する意図からこの同盟を締結した。両国の一方がロシアから攻撃を受けた場合,他の一国は全力をあげてこれを助け,またロシア以外の第三国 (フランス) に攻撃された場合,他の一国は少くとも好意的中立を守ることを約した。この同盟はのちにイタリアの参加で三国同盟となった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ドイツオーストリア同盟」の解説

ドイツ‐オーストリア同盟(ドイツ‐オーストリアどうめい)
Zweibund

1878年のベルリン会議の結果,ドイツはロシアと疎遠になり,オーストリアとロシアの関係も悪化したので,三帝同盟は事実上消滅した。そこでビスマルクはオーストリアとの提携を一層強化する必要を認め,翌79年10月この軍事密約を締結し(88年2月公表),両国の一つがロシアから攻撃を受けた場合他の一国は全力をあげてこれを助け,また他の強国に攻撃されたときは,他の一国は少なくとも好意的中立を守ることを約した。この同盟はその後更新されて,1918年まで続いた。

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百科事典マイペディア 「ドイツオーストリア同盟」の意味・わかりやすい解説

ドイツ・オーストリア同盟【ドイツオーストリアどうめい】

独墺同盟。1879年に成立したドイツ・オーストリア間の対ロシア防衛同盟。いずれか1国がロシアから攻撃を受けた場合両国は共同してロシアと戦い,ロシア以外の国の攻撃を受けた場合には他の1国は少なくとも好意的中立を守ることを約した。1918年まで存続。
→関連項目アンドラーシビスマルク

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旺文社世界史事典 三訂版 「ドイツオーストリア同盟」の解説

ドイツ−オーストリア同盟
ドイツ−オーストリアどうめい

独墺同盟

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