ドイツ赤軍派(読み)ドイツせきぐんは(英語表記)Rote Armee Fraktion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ赤軍派」の意味・わかりやすい解説

ドイツ赤軍派
ドイツせきぐんは
Rote Armee Fraktion

1968年に結成されたドイツ連邦共和国(西ドイツ)の左翼急進派グループ。創設者のアンドレアス・バーダー(1943~77)とウルリケ・マインホフ(1934~76)の名前をとって,バーダー・マインホフ・グループとも呼ばれた。創設当初から銀行強盗で活動資金を調達し,西ドイツ企業や軍施設をおもな標的とするテロ活動を行ない,政財界の要人誘拐・暗殺した。パレスチナ過激派組織と手を結ぶこともあった。主要メンバーの大多数が 1972年の夏までに投獄され,マインホフは 1976年獄中で自殺。バーダーら 3人のメンバーは,1977年10月18日に獄中で射殺体で発見された。当時,ルフトハンザ機が赤軍にハイジャックされ,獄中の仲間の釈放を求める事件があった。バーダーらの遺体が発見されたのは,西ドイツ特殊部隊がハイジャック機に突入した翌日だったため,彼らの死は自殺とみられた。1989~90年にドイツ民主共和国(東ドイツ共産主義体制が崩壊した後,ドイツ赤軍は旧東ドイツ秘密警察シュタージから訓練,隠れ家,装備などの提供を受けていたことが判明した。1992年にテロ活動の中止を宣言したが,一部過激派の間には支持者が残存した。1998年の正式解散後もメンバーの逮捕裁判が続いた。

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