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世界革命 せかいかくめいworld revolution

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

世界革命
せかいかくめい
world revolution

世界的ないしは国際的規模で革命を考える共産主義運動内部の思想または立場。多くの場合永久革命と結びつけて主張される。 1864年の国際労働者協会 (第1インターナショナル) 創設以来,世界共産主義運動は革命を少くともヨーロッパ全体の規模において考えていたが,後進資本主義国ロシアで 1917年に革命が成功したため,革命の規模があらためて具体的な問題となった。ドイツとの講和論争にみられたように,ロシア革命をヨーロッパ先進国 (ことにドイツ) 革命に直接に依存させようとした L.トロツキーと,資本主義の不均等発展の理論を基礎に現実的な対応を主張した V. I.レーニンとの対立をはらみながら,ボルシェビキ政権は全体として世界革命に期待を寄せた。 19年に結成されたコミンテルンも,4月に「20年には大国際ソビエト共和国が出現するであろう」と宣言した。 21年のドイツ革命の失敗を契機に世界革命の展望は消え,1920年代後半に I.スターリンの「一国社会主義」路線が確立され,トロツキーが追放されると,コミンテルンは「ソ連擁護」を課題とする組織に変り,第2次世界大戦は第1次世界大戦と違ってヨーロッパの内戦としてではなく「祖国戦争」として戦われた。戦後は,先進国の新左翼の先進国革命論や毛沢東,E.ゲバラの革命論が世界革命論の系譜を継承している。

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大辞林 第三版の解説

せかいかくめい【世界革命】

世界的にプロレタリア革命が行われることにより、全世界的規模で社会主義が勝利すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

世界革命
せかいかくめい

マルクス主義の用語で、プロレタリアートの世界史的解放、全世界的規模での社会主義の勝利を意味する。マルクス、エンゲルスの存命した19世紀段階では、資本主義のもとでの生産力の発展が一国の規模を超え世界市場を形成していくことに照応して、資本家階級と労働者階級との対立が世界的なものとなり、プロレタリア革命が世界的性格をもつことから、「永続革命」としての世界革命が唱えられ、「万国のプロレタリアート、団結せよ」のスローガンのもとに、具体的にはヨーロッパ諸国での個々の革命(一国革命)が連鎖的に波及していくことが想定されていた。レーニンは、ロシア革命を世界革命の一環として位置づけ、西欧諸国(とくにドイツ)への波及と東洋諸国での民族解放闘争の高揚を期待したが、第一次世界大戦後のロシア以外での革命は勝利しえず、「一国社会主義建設」への軌道修正を余儀なくされた。レーニン死後、ロシア革命の世界革命への拡大と一国社会主義建設との関係の問題は、トロツキーとスターリンの対立の主要な論点の一つとなったが、スターリンの一国社会主義建設路線が勝利した。しかし、スターリンが「勝利」を宣言したソ連型社会主義も、第二次世界大戦後東欧・アジアに広がり、一時は地球の3分の1の人口を支配下に置いたが、1989年の東欧革命、91年ソ連解体で劇的に崩壊し、世界革命の夢は振り出しに戻った。[加藤哲郎]

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