戦略爆撃(読み)センリャクバクゲキ(その他表記)strategic bombing

デジタル大辞泉 「戦略爆撃」の意味・読み・例文・類語

せんりゃく‐ばくげき【戦略爆撃】

戦略に基づいて行う爆撃。直接敵軍を爆撃するのではなく、産業設備の破壊、都市爆撃や交通遮断などを実施する。

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精選版 日本国語大辞典 「戦略爆撃」の意味・読み・例文・類語

せんりゃく‐ばくげき【戦略爆撃】

  1. 〘 名詞 〙 戦略に基づいて行なう爆撃。直接敵軍を攻撃するのではなく、敵国の戦争遂行基盤に打撃を与え、国民の抗戦意識を衰えさせるため、都市、重要産業、交通機関などに対して行なう爆撃。〔原子力(1950)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戦略爆撃」の意味・わかりやすい解説

戦略爆撃
せんりゃくばくげき
strategic bombing

敵国の生産施設,交通,一般市民などに対して大量爆撃を加え,戦力と国民の戦意を破砕して屈服をはかること。戦術爆撃に対するもの。世界最初の戦略爆撃は第1次世界大戦中,1915年イギリス本土に対してドイツ海軍のツェッペリン飛行船によって行われた。本格的に,大規模に行われたのは第2次世界大戦からで,日本は空襲によって約 25万 6000人が死亡,221万戸の家屋全焼全壊し,約 920万人が罹災した (内務省防空総本部統計,沖縄県を除く) が,大部分が戦略爆撃によった。第2次世界大戦中,アメリカをはじめとする連合国では,戦略爆撃によって敵国の抗戦能力を破壊できるというのが定説になっていたが,ドイツのように戦略爆撃下で生産性を高めた例もあり,核を用いて爆撃しないかぎり,戦略爆撃だけで敵国を屈服させることはできないというのが,今日では定説となっている。

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百科事典マイペディア 「戦略爆撃」の意味・わかりやすい解説

戦略爆撃【せんりゃくばくげき】

直接の軍事目標のみでなく,敵国の戦争遂行能力そのものを破壊し,その戦争意思を屈服させる目的をもって行う爆撃。その目標は,戦略資源の生産地,主要工業地帯交通施設政治・軍事の中枢地域など多岐にわたる。→戦略空軍
→関連項目爆撃爆撃機

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世界大百科事典(旧版)内の戦略爆撃の言及

【ドゥエ】より

…イタリアの陸軍少将で熱烈な戦略爆撃論者。イタリアのカゼルタに生まれる。…

【爆撃】より

…この爆撃機は第一線はるか後方の敵補給拠点,軍需工業施設あるいは敵の戦意を破砕するため主要都市を攻撃することができた。このような目標の攻撃を戦(政)略爆撃という。第1次世界大戦末期にはロンドン,パリ,ベルリン等の大都市が戦略爆撃をうけ,大きな被害を出した。…

※「戦略爆撃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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