ドゥランゴ(読み)どぅらんご(英語表記)Durango

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドゥランゴ」の意味・わかりやすい解説

ドゥランゴ
Durango

正式名称はビクトリアデドゥランゴ Victoria de Durango。メキシコ中北部,ドゥランゴ州の州都グアダラハラの北北西約 400km,西マドレ山脈中部の山中にある標高約 1900mの肥沃な谷に位置する。 1556年から入植されたが,町が建設されたのは 63年で,スペイン植民地時代は現在のドゥランゴ,チワワ両州を含めた地域から成るヌエバビスカヤ州の州都として発展。近くに温泉が湧出するため古くから保養地として知られてきたが,現在は商工業および鉱業の重要な中心地ともなっている。特に市の北方のメルカド山 (比高約 210m) にある純粋に近い赤鉄鉱床は世界最大規模の埋蔵量をもち,市内には製鉄所がある。その他綿織物,毛織物,ガラス,製粉たばこ製糖などの工業が立地する。ドゥランゴ州立フアレス大学 (1933) 所在地。交通の要地で,鉄道,道路が四通する。人口 41万 4015 (1990推計) 。

ドゥランゴ
Durango

アメリカ合衆国,コロラド州南西部の都市。ラプラタ山麓のアニマス河岸にあり,1880年の銀鉱ブームのときに発足農産物家畜の出荷地として発達肥料,銅材,ポンプなどの工業が行われる。石炭石油天然ガス,金,銀,ウランなど地下資源が豊富である。付近景勝地が多く,観光事業も重要である。人口1万 2430 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドゥランゴ」の意味・わかりやすい解説

ドゥランゴ
どぅらんご
Durango

メキシコ中西部、ドゥランゴ州の州都。正称ビクトリア・デ・ドゥランゴVictoria de Durango。西シエラ・マドレ山脈中の標高1888メートルにあり、気候は温和である。人口42万7135(2000)。付近にはメルカド山地の鉄鉱石をはじめ、金、銀、亜鉛などの鉱山が多く、鉱業都市として発展した。周辺ではワタ、羊毛、タバコ、サトウキビ、木材などを産し、その集散・加工も盛んである。1563年に建設され、植民地時代にはヌエバ・ビスカヤ地方(ドゥランゴ、チワワ両州を含む)の行政・宗教中心地であった。当時の政庁や18世紀の教会など、歴史的建造物が残る。メキシコ革命の英雄パンチョ(フランシスコ)・ビリャの生誕(1877)地。

[高木秀樹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android