日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビリャ」の意味・わかりやすい解説
ビリャ
びりゃ
Francisco (Pancho) Villa
(1877―1923)
貧農出身のメキシコ革命軍指導者。ビリャとは逃亡中の仮名で、本名はドロテオ・アランゴDoroteo Arango。一般には愛称名パンチョ・ビリャとして有名。北部ドゥランゴ州に生まれたが、少年時代に殺人を犯して逃亡、のちに義賊的バンディド(山賊)として下層民衆の人気を集めた。1910年のマデロの指導するメキシコ革命に参加、軍事面で活躍したが、革命勝利後失脚しアメリカへ亡命した。13年の反革命後、帰国して貧農を主体とする最強の革命軍を自力でつくりあげ、第二次革命を勝利に導いた。しかし第二次革命の指導者カランサ(大地主)と対立し、14年夏にサパタと同盟してカランサと戦い、一時ほぼ全土を支配したが、15年以後劣勢になり北部チワワ州でゲリラ戦を続けた。20年にカランサ政権が倒れたので、新政権と和平し農場経営にあたったが、23年政敵に暗殺された。
[野田 隆]