唾液(だえき)の分泌量が減少または消失し、口腔(こうくう)内が著しく乾燥した状態、あるいはそうした症状。3か月以上持続して口内乾燥が自覚される場合を診断の基準とすることが多い。更年期を過ぎた50代以降の女性に多くみられる。加齢による女性ホルモンの減少や、そしゃく力低下などにより唾液の分泌量が低下する傾向が関連しているといわれる。高齢者、若年層ともに増加傾向にあり、日本には800万人を超える患者がいると推測されている。
ドライマウスに陥ると、口腔乾燥感や口渇感を覚えたり、舌が赤みをおびたりするほか、強い舌痛などを訴え、水分を多量に摂取する、口の中がねばねばする、乾燥した食物が食べにくくなる、などの症状が現れる。また、殺菌作用をもつ酵素が含まれる唾液が減少することにより、口腔内の細菌が増殖して炎症やむし歯、歯周病、歯肉炎のほか味覚異常などがおこり、さらには口内の硫化物が増えて口臭の原因ともなる。重度になると、口腔内灼熱(しゃくねつ)感、口腔粘膜の乾燥、舌乳頭の萎縮(いしゅく)、そしゃく・嚥下(えんげ)困難などをきたす。唾液の分泌低下にはさまざまな原因がある。全身疾患としては、糖尿病、自己免疫疾患の一つである唾液腺(せん)障害を伴うシェーグレン症候群や高カルシウム血症などがあげられる。また加齢、過労、副交感神経抑制作用のある薬剤による副作用、喫煙、偏食なども原因となる。さらにストレスなどで緊張が持続すると、自律神経のバランスが乱れることによって唾液の分泌量は減少する。処置としては、原因の除去に努めることと、対症療法としてうがい、人工唾液(補液の使用)、水分の多い食物の摂取などを試みると同時に、口腔衛生にも心がける。ドライマウスの専門外来をもつ医療施設もある。
[編集部]
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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