ドラモンド(英語表記)Drummond, Henry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドラモンド」の意味・わかりやすい解説

ドラモンド
Drummond, Henry

[生]1851.8.17. スターリング
[没]1897.3.11. タンブリッジウェルズ
スコットランド出身の福音教会派の文筆家,説教者,地質学者,探検家。エディンバラ大学卒業後,グラスゴーの自由教会科学を教授。 1874~75年にイングランドおよびアイルランドで布教活動に従った。主著『自然界における自然法』 Natural Law in the Spiritual World (1883) では,連続性という科学的原理は精神界にも敷延され,したがってダーウィニズム啓示宗教が矛盾しないことを説いた。アフリカ探検の地理学的成果を『熱帯アフリカ』 Tropical Africa (88) に発表した。

ドラモンド
Drummond (of Hawthornden), William

[生]1585.12.13. エディンバラ近郊ホーソンデン
[没]1649.12.4. エディンバラ近郊ホーソンデン
スコットランドの詩人。エディンバラ大学で学び,さらにブールジュとパリに遊学後,ホーソンデンの領地を継いで隠棲。 M.ドレートンの友人で,ロンドンの文学的慣用語を用いた最初のスコットランド詩人の一人。ロンサールなどフランスやイタリアの抒情詩を翻訳し,初恋の女性の早世霊感を得た情熱的なソネットを含む『詩集』 Poems (1616) によってスコットランドのペトラルカと呼ばれた。 B.ジョンソン来訪 (19) の際の覚え書『対話』 Conversationsは貴重な文献である。

ドラモンド
Drummond, James

[生]1835.5.14. ダブリン
[没]1918.6.13.
イギリスのユニテリアン神学者。ダブリン大学トリニティ学寮を終え,1860年説教師となったが,9年後ロンドンのマンチェスター・ニュー・カレッジで聖書神学歴史神学を教授。彼は教義的自由を説き,キリストを神からの最高の啓示とみなしたが,その復活を否定した。主著『ユダヤの救世主』 The Jewish Messiah (1877) ,『道,真実,生』 Via,Veritas,Vita (94) 。

ドラモンド
Drummond, Thomas

[生]1797.10.10. エディンバラ
[没]1840.4.15. ダブリン
イギリスの技術者,政治家。 1815年王室技術院に入り,20年イギリス国土の三角測量隊に参加。また測量機器の改良に努めた。 35年アイルランド次官 (実質的には最高責任者) となり,公平で自由主義的政治を行なったので,アイルランド人の信望を得た。

ドラモンド
Drummond, William Henry

[生]1854.4.13. リートリム
[没]1907.4.6. オンタリオ,コバルト
カナダの詩人。フランス系カナダ人の片言英語を取入れたユーモラスな詩篇を多く残した。詩集『アビタン詩篇』 The Habitant (1897) は今日でも広く読まれている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ドラモンド」の解説

ドラモンド
James Eric Drummond, 16th Earl of Perth

1876~1951

イギリスの外交家。スコットランド名門の出。1900年外務省に入り,首相アスキス,外相バルフォアの秘書を務め,パリ講和会議に参加した。アメリカ大統領ウィルソンの提案により国際連盟の事務総長に任命され(在任1919~33),その事務局を各国の利益代表機関ではなく,連盟そのものに奉仕するものとしたのは彼の努力による。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android