日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドルトンの法則」の意味・わかりやすい解説
ドルトンの法則
どるとんのほうそく
Dalton's law
「混合気体の全圧は、成分気体の分圧の総和に等しい」という法則。そのために分圧の法則law of partial pressureともいう。1801年イギリスのJ・ドルトンの提出したものである。別の表現では「混合気体の体積は、これと同温・同圧下における気体のそれぞれの占める体積の和に等しい」ということになる。理想気体では、分子間の相互作用や分子の大きさを無視できるので、この法則は完全に成立する。化学熱力学においてよく利用される法則で、たとえば「質量作用の法則」は、この法則を基礎としている。なお「定比例の法則」「倍数比例の法則」「ヘンリーの法則」なども、広い意味でのドルトンの法則に含めてよぶことがあるので、誤解を避けるためには「ドルトンの分圧の法則」とよぶほうがよいであろう。
[山崎 昶]