同じ2種の元素から異なる化合物ができるとき,一方の元素の一定量と化合する他方の元素の量は,それらの化合物の間で簡単な整数比になるという法則。1803年J.ドルトンが見いだした。この法則が成り立つことは5種の窒素酸化物により示すことができる。酸化二窒素N2O,一酸化窒素NO,三酸化二窒素N2O3,二酸化窒素NO2,および五酸化二窒素N2O5において,窒素14gと化合する酸素の量はそれぞれ8g,16g,24g,32g,40gで,これらの酸素の重量の比は1:2:3:4:5という簡単な整数比になっている。質量保存の法則,定比例の法則とともにドルトンによる原子説の実験的な裏づけになった。ただしこの法則は,2元素が単純な化合物をつくるときにだけ成り立ち,たとえば炭素と水素の化合物のように複雑な組成の化合物では簡単な整数比にはならない。
執筆者:佐野 瑞香
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「2種の元素の化合によって、2種以上の化合物が生成する場合、一方の元素の一定量に対する他方の元素の化合する量は、簡単な整数比となる」という法則。1803年、イギリスのJ・ドルトンが原子説とともに提案したものである。ドルトンの法則とよばれることもあるが、「ドルトンの分圧の法則」との混乱を避けるためには用いないほうがよい。
たとえば、一酸化炭素と二酸化炭素、水と過酸化水素を比べてみると、酸素8グラムに化合する炭素は、一酸化炭素は6グラム、二酸化炭素は3グラム、同じく水素の量を比べると、水では1グラム、過酸化水素は0.5グラムであり、どちらも二対一という簡単な整数比となっている。
[山崎 昶]
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化合物中の各元素の原子数は,簡単な整数比で表されるという,化学量論上基礎的な法則の一つ.二つの元素が結合して2種類以上の化合物をつくる場合,一方の元素の一定質量と結合するほかの元素の質量は,つねに簡単な整数比を示す.
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…しかし,この時代の議論は哲学的な推理の域を出ず,その存在が確かめられたのは近代になってからである(原子論)。1800年ころにJ.ドルトンは倍数比例の法則を発見した。それによると,2種類の元素が何種類かの化合物をつくるときに,一方の元素の一定量と化合する他方の元素の質量の比は簡単な整数比になる。…
※「倍数比例の法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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