知己(読み)チキ

デジタル大辞泉 「知己」の意味・読み・例文・類語

ち‐き【知己】

自分のことをよく理解してくれている人。親友。「この世に二人とない知己を得る」
知り合い。知人。「知己を頼って上京する」
[類語]面識顔馴染み顔見知り馴染み幼馴染み昔馴染み知人知り合い知音存じ寄り隣人旧友旧知旧識故人故旧古馴染み幼友達竹馬の友知る近付き

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「知己」の意味・読み・例文・類語

ち‐き【知己】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分の気持や考えをよく知っている人。自分をよく理解してくれる人。
    1. [初出の実例]「知己難逢匪今耳、忘言罕遇従来然」(出典:懐風藻(751)在常陸贈倭判官留在京〈藤原宇合〉)
    2. 「一条左大臣感彼知己之言」(出典:江談抄(1111頃)二)
    3. [その他の文献]〔戦国策‐趙策・襄子〕
  3. 知り合って親しくなること。また、その人。知人。友人。しりあい。
    1. [初出の実例]「五十年の知己、是れ程の乱裏豈不問乎」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)四)
    2. [その他の文献]〔文明本節用集(室町中)〕
    3. 「笑語熙々として恰かも数年来の知己(チキ)たるが如し」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二二)
  4. ( 形動 ) よく知ってなじみになること。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「浅草の十二軒か両国のならび茶屋あたりの知己(チキ)なる処(とこ)え腰をかけて」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)

知己の補助注記

色葉字類抄」「日葡辞書」などには「チコ」という形が掲げられており、中世までは呉音読みの「チコ」が優勢であった可能性がある。近世以後「チキ」が一般的になった。


ち‐こ【知己】

  1. 〘 名詞 〙ちき(知己)
    1. [初出の実例]「知己 朋友部 チコ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「知己」の読み・字形・画数・意味

【知己】ちき

己を知る人。〔史記刺客、予譲伝〕士は己を知るの爲に死し、女は己を(よろこ)ぶの爲に容(かたちづく)ると。~我必ず爲に讐(しう)を報じて死せん。

字通「知」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android