ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドロール」の意味・わかりやすい解説
ドロール
Delors, Jacques
[没]2023.12.27.
ジャック・ドロール。フランスの政治家。ヨーロッパ委員会委員長(在任 1985~95)。フルネーム Jacques Lucien Jean Delors。1945年フランス銀行に就職し,のちにソルボンヌ大学で経済学の学位を取得。1962年フランス銀行を辞め,国の経済計画総局で社会問題部門の責任者となった。1969~72年ジャック・M.P.シャバン=デルマス首相の「新しい社会」政策で社会問題に関する主任顧問を務めた。1974年フランス社会党に入党,1976年党の国際経済関係全国代表となった。1979年ヨーロッパ議会議員に選出,同議会の経済通貨委員長を務めた。1981年フランソア・M.ミッテラン大統領から経済財政大臣に任命された。フランス経済が景気後退にあるなか,当初は政府統制と歳出を拡大する社会主義的な回復策を実施した。しかし最終的にはミッテランを説得して緊縮財政策を採用し,経済を比較的安定させることに成功した。1985年ヨーロッパ共同体 EC(→ヨーロッパ連合 EU)の行政執行機関であるヨーロッパ委員会委員長に就任。停滞感のあった ECにてこ入れをして改革を実施し,1987年単一ヨーロッパ議定書 SEA,1993年 EUを発足させるためのマーストリヒト条約の発効を導いた。1995年任期満了。
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