コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

安楽死 あんらくし euthanasia

翻訳|euthanasia

8件 の用語解説(安楽死の意味・用語解説を検索)

知恵蔵の解説

安楽死

尊厳死」のページをご覧ください。

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

あんらく‐し【安楽死】

回復の見込みがなく、苦痛の激しい病人を、本人の依頼または承諾のもとに人為的に死なせること。ユータナジーオイタナジー

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

安楽死【あんらくし】

死期の近い患者を身体的・精神的苦痛から救うために死に至らしめること。治療を中止する消極的安楽死と,薬物を投与する積極的安楽死がある。積極的安楽死は法律上問題となる。
→関連項目ケストラー殺人罪慈悲殺嘱託殺人罪植物状態

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

栄養・生化学辞典の解説

安楽死

 苦痛をともなわない死,もしくはそのような死をもたらす手段をいうが,近年は,回復の見込みのない患者が,苦しまないで死に至るように配慮することで,苦痛をともなう積極的な延命治療をしないこと,また,たとえ死を早める危険性があっても,病気による苦痛を大幅に減らせる処置をすること,などがこれにあたる.薬剤投与などによる積極的安楽死と,延命治療を行わないといった消極的な安楽死が区別されるようになっている.法的,倫理的に大きな問題となっている.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

あんらくし【安楽死 euthanasia】

病者を苦痛から解放して安楽に死なせること。上記の英語は,〈良き死〉を意味するラテン語に由来する。安楽死は,いくつかの類型に分けられる。(1)純粋の安楽死 死苦の緩和を目的としてモルヒネの投与が行われ,しかもそれが病者の生命の短縮を伴わないというような場合。(2)間接的安楽死 そのような措置が不可避的に病者の死期を若干早めるような場合。(3)不作為による安楽死 積極的な医療措置を講じても病者の死期をわずかしか延長できず,しかも,それによっていたずらに彼に苦痛を生じさせるにすぎないときに,その措置を行わない場合。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

あんらくし【安楽死】

助かる見込みがない病人を苦痛から解放する目的で、延命のための処置を中止したり死期を早める処置をとること。また、その死。安死術。オイタナジー。 → 尊厳死

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

安楽死
あんらくし

オイタナジー Euthanasiaの訳語。古くから用いられて来たことばであり,多様な意味をもつ。(1) 積極的安楽死,(2) 間接的安楽死,(3) 消極的安楽死,の三つに分類されることもあり,(1)は苦痛を除く手段がない患者の命を薬剤投与などで意図的・積極的に縮める行為,(2)は苦痛緩和療法で麻薬などを与えた結果として死期を早める行為,(3)は苦痛を長引かせないよう医療行為を控えたり延命治療を中止したりして死期を早める行為,とされている。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

安楽死
あんらくし

安死術またはオイタナジーEuthanasie(ドイツ語)ともいう。この語源はギリシア語のエウタナーシャeuthanasia(「良き死」または「楽な死」の意)にある。安楽死とは、死期の切迫した不治の傷病者を死苦から解放するために死なせることをいう。安楽死には、傷病者の自然の死期を早める場合(積極的安楽死)と、これを早めない場合(消極的安楽死)とがあり、このうち人の生命の短縮を伴う積極的安楽死については、宗教、哲学、文学、医学、法学などさまざまな分野でしばしば論じられてきた。たとえば文学作品では、トマス・モアの『ユートピア』、R・マルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』、D・H・ローレンスの『息子と恋人』をはじめ、日本でも森鴎外(おうがい)の『高瀬舟』が安楽死のテーマを扱っている。[名和鐵郎]

安楽死是非論の変遷

歴史的にみると、ヨーロッパでは、安楽死の是非は自殺の問題と同様に、キリスト教との密接なかかわりをもっている。中世キリスト教社会では、生命は神のたまものであり、自殺であれ、安楽死であれ、人間が人の生命を奪うことは神の意思に反するという考え方(これは聖アウグスティヌスに始まり、トマス・アクィナスにより集大成された)を前提として、安楽死も殺人の一種として処罰の対象とされた。ルネサンス時代になると、個人の自由を尊重する思想がおこり、前記トマス・モアはカトリック教徒ではあるが、1516年の『ユートピア』において、ユートピア、すなわち非キリスト教社会では、本人の意思による安楽死(任意的安楽死)も是認されうることをアイロニックに述べている。フランシス・ベーコンは『ノウム・オルガヌム』(1620)において、ユーサナジアeuthanasiaということばを用いて安楽死肯定論を展開している。このような一連の安楽死肯定論にもかかわらず、やはり自殺や安楽死を罪悪視する考え方が支配しており、とくにキリスト教的倫理観の根強い国々では、安楽死を殺人の一種とするとともに、自殺をも厳しく処罰する立法が広くみられた。
 これに対して、近代になると、法と宗教の分離が強く叫ばれ、たとえば近代啓蒙(けいもう)思想の流れをくみ、「近代刑法学の始祖」とも称されているC・B・ベッカリーアは『犯罪と刑罰』(1764)のなかで、自殺は神のみが裁きうるとして、自殺を処罰することに強く反対した。ここにみられるような近代的合理主義と人道主義の台頭のもとに、また近代医学の発達が契機となって、18世紀末には死苦から解放するための積極的安楽死を是認しようとする考え方がおこってきた。20世紀に入ると、安楽死合法化を求める動きが広がり、1930年代には、イギリスやアメリカで「安楽死協会」が相次いで発足し、安楽死合法化法の制定を要求する運動が活発に展開されるに至った。ところが、ナチス・ドイツにおいて、「国民の敵」「劣等者」とされた数百万にのぼる人々(ユダヤ人、同性愛者、精神障害者など)が「安楽死」の名のもとに虐殺されるという不幸な事態が発生した。このような苦い経験を経て、第二次世界大戦後は、安楽死を安易に肯定しようとする考え方は深刻な反省を迫られ、安楽死肯定論者も、ナチスによる大量虐殺に道を開いた「強制的安楽死」を否認し、安楽死も本人の意思に合致する場合(任意的安楽死)だけに限定すべきことを主張することとなった。2014年時点で、国家の法律で安楽死を認めているのはスイス(1942年)、オランダ(2001年)、ベルギー(2002年)、ルクセンブルク(2008年)で、いずれも本人の自発的な意思が容認条件にあげられている。なお、オランダとベルギーでは一定の要件を満たしたうえでの子供の安楽死も認めている。[名和鐵郎]

安楽死と刑事責任

1907年(明治40)に制定された現行刑法は、殺人の罪について、被害者の意思に反するか否かを区別して、殺人罪(199条)のほか自殺関与及び同意殺人罪(202条)を規定している(なお、自殺は不可罰)。したがって、強制的安楽死は被害者の意思に反する場合であるから、殺人罪に該当しうることは疑問の余地がない。これに対して、任意的安楽死は被害者の意思に反しない場合であるから、202条の罪が成立するか否かが問題となる。かつては任意的安楽死であっても人命を短縮する以上202条として処罰すべきであるとする見解があったが、今日では、202条には該当するが一定の要件をみたせば違法または責任が阻却され、犯罪とはならないと解されている。
 ところで、安楽死として違法阻却となるための一般的要件を示したリーディング・ケースとして、1962年(昭和37)の名古屋高裁判決がある。これによれば、安楽死として違法阻却となるためには、(1)不治の病であり、死が目前に迫っていること、(2)苦痛が甚だしく、何人(なんぴと)も見るに忍びないこと、(3)死苦緩和の目的があること、(4)意思表明ができる場合には、患者からの真摯(しんし)な嘱託または承諾があること、(5)医師の手によるか、医師によりえない特別の事情があること、(6)方法が倫理的に容認しうることの6要件をみたす必要がある(なお、本件には違法阻却が認められなかった)。これ以降の安楽死に関する判決は、行為者と被害者が近親関係にある場合がほとんどであるが、医師の行為が裁かれたケースとしていわゆる東海大学安楽死事件に関する1995年(平成7)3月の横浜地裁判決がある。この判決では、医師による安楽死の要件として「苦痛の除去・緩和のためほかに医療上の代替手段がない」ことを要求するが、本件については肉体的苦痛および患者の意思表示がいずれも認められないとして有罪とした。このように日本の判例には、安楽死として無罪としたケースは存在しない。[名和鐵郎]

安楽死と医療

リーディング・ケースである1962年の名古屋高裁判決に関連して、安楽死について医療現場では次のような点がとくに問題となる。(1)生命の短縮を伴わなければ、医療行為として適法である。(2)死期に影響するとしても、患者の死苦を長引かせないため延命措置をとらない場合(消極的安楽死)や鎮痛剤などの使用による副作用として結果的に生命が短縮される場合(間接的安楽死)でも、患者の承諾があれば適法となろう。(3)「安楽死から尊厳死へ」といわれるように、今日におけるペイン・クリニックの発達によって、モルヒネなどの鎮痛剤を使用すればほとんどの死苦が解消されうるし、植物状態の患者は肉体的苦痛は存在しないから、医療現場では安楽死より尊厳死がより重要である。(4)患者自身の明示的な意思に基づくことを要するから、患者の推定的承諾で足りるとする見解もあるが妥当ではない。(5)安楽死は濫用の危険が大きいから、特別の事情がないかぎり医師の手によるべきである。したがって、医師以外の者は医師に依頼して安楽死をしてもらうことが要求されるが、再三の懇願にもかかわらず医師が安楽死を拒否したため、看護をしていた夫が末期癌(がん)の妻を包丁で刺殺したという事案について、1977年の大阪地裁判決は、医師によりえない特別の事情には当たらないとした。(6)末期患者には、死苦とはいえないとしても、さまざまな肉体的苦痛や精神的苦悩を伴うのが一般的であるから、このような末期患者の希望によって、温かく看護し、安らかな臨終に導くためのホスピスや緩和ケア病棟を普及するとともに、これを保障するための医療制度を確立することが急務であろう。[名和鐵郎]
『阿南成一著『安楽死』(1977・弘文堂) ▽宮川俊行著『安楽死の論理と倫理』(1979・東京大学出版会) ▽中山研一・石原明編著『資料に見る尊厳死問題』(1993・日本評論社) ▽NHK人体プロジェクト編著『安楽死――生と死をみつめる』(1996・日本放送出版協会) ▽町野朔他編著『安楽死・尊厳死・末期医療』(1997・信山社) ▽中山研一著『安楽死と尊厳死』(2000・成文堂) ▽立山龍彦著『自己決定権と死ぬ権利 新版』(2002・東海大学出版会) ▽三井美奈著『安楽死のできる国』(新潮新書)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の安楽死の言及

【殺人罪】より

…無理心中,偽装心中,親子心中等による場合は,もちろん通常の殺人罪である。嘱託・承諾殺人罪との関連で近時問題となっているのが,いわゆる安楽死である。現在の判例理論上不可罰とされる安楽死の要件は相当厳しく,嘱託・承諾殺人罪ないし通常の殺人罪の成立さえ認められることもままある。…

※「安楽死」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

安楽死の関連キーワード尊厳死アシスタント尊厳延いてはピコデラミランドラDNR安楽死と尊厳死成年後見制度と尊厳死宣言書人間の尊厳《人間の尊厳性について》

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone

安楽死の関連情報