日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニイニイゼミ」の意味・わかりやすい解説
ニイニイゼミ
にいにいぜみ
[学] Platypleura kaempferi
昆虫綱半翅目(はんしもく)同翅亜目セミ科Cicadidaeに属する昆虫。体長20~26ミリメートル、同翅端まで32~38ミリメートル。体はやや扁平(へんぺい)で、頭部、胸部は緑褐色に黒色紋がある。前胸背側方は三角形状に広がる。前翅には灰褐色の大きな雲状紋があり、後翅は透明な周縁部を除き黒色。北海道から琉球諸島(りゅうきゅうしょとう)にかけて分布し、各地に普通にみられ、朝鮮半島、中国大陸、台湾にも知られる。7~8月に出現し、チーと鳴く。1世代は4年と推定される。脱皮殻は球形に近く、表面は泥で覆われる。日本にはほかに、クロイワニイニイP. kuroiwae、ヤエヤマニイニイP. yayeyamanaなど4種が知られ、いずれも南西諸島固有種である。対馬(つしま)には秋遅くに出現する独特なセミ、チョウセンケナガニイニイSuisha coreanaが知られる。
[林 正美]