最新 地学事典 「ニッケル鉱床」の解説
ニッケルこうしょう
ニッケル鉱床
nickel deposit
Niはマグマの固結過程で早期に晶出する苦鉄質鉱物(特にかんらん石)によく取り込まれるため,分化したマグマやこれから放出される熱水には濃集しない。このためNiの熱水鉱床はほとんどなく,ニッケル資源はマグマ鉱床と風化残留鉱床にほぼ限られる。マグマ鉱床は,珪酸塩マグマから不混和現象によって分離・濃集した硫化物マグマの固結により生成。主要鉱石鉱物はペントランド鉱で,黄銅鉱・磁硫鉄鉱・黄鉄鉱・磁鉄鉱などを伴う。常に磁硫鉄鉱を多量に伴うため含ニッケル磁硫鉄鉱鉱床とも呼ばれる。多くの場合Cu・白金族元素・Coなどが副産物。層状貫入岩体内鉱床とコマチアイト内鉱床に大別される。前者は層状構造の明瞭な苦鉄質貫入岩体に伴い,サドベリー型鉱床とも呼ばれSudbury貫入岩体基底部に胚胎するニッケル-銅鉱床が有名。後者は始生代のコマチアイト質溶岩に伴う。前者に比べ規模は小さいがNi/Ni+Cu比は高いものが多い。カナダ・南ア・オーストラリアなどのグリーンストーン帯にみられる。Niを含むかんらん岩は熱帯~亜熱帯気候で風化を受けると,残留土壌の一部にガーニエライトなどからなるラテライトを形成。サドベリー型とならんで重要なNi資源。キューバ・ジャマイカ・ニューカレドニア・インドネシア・フィリピンなどに大量に存在。深海底のマンガン団塊にはCu・Coとともに少量のNiが含まれ,将来のNi資源とされる。
執筆者:島崎 英彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

