ニーシュ(英語表記)Niš

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニーシュ」の意味・わかりやすい解説

ニーシュ
Niš

セルビア南東部の都市。モラバ川とその支流ニシャバ川との合流点付近に位置する。河谷沿いに道路,鉄道が走り,ヨーロッパ中部からエーゲ海イスタンブールにいたる線が分岐している。じゅうたんを中心とする繊維,機関車,日用品,電機などの工業があり,豊かな農業地帯を基盤にビール,たばこなどの食品加工も行なわれる。ケルト人の集落に古代ローマが建設した都市ナイススがこの地と考えられ,軍事,商業の要地として,9世紀以降ブルガリア,ハンガリー,ビザンチンなどに支配された。 12世紀末からはセルビア,1375年から約 500年間はトルコの支配下に入り,ベルリン条約 (1878) でセルビア領となった。第1次世界大戦中に,一時セルビアの首都が置かれた。第2次世界大戦での被害と戦後の復興により市街様相を一変し,トルコ=ビザンチン様式の歴史的建造物は姿を消した。人口 17万 3724 (2002) 。

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