ニールセン

百科事典マイペディア 「ニールセン」の意味・わかりやすい解説

ニールセン

デンマークの作曲家,指揮者。フューン島オーゼンセ近くに生まれ,幼年期からバイオリンに親しむ。1884年−1886年コペンハーゲンの王立音楽院で作曲とバイオリンを学び,作曲家N.V.ガーゼ〔1817-1890〕に個人的に作曲を師事。初期にはガーゼやブラームスの影響を強く受けた。同地の王立劇場でバイオリン奏者として活動後,1908年−1914年同劇場楽長。この間,《交響曲第2番・四つの気質》(1901年−1902年),《交響曲第3番・広がりの交響曲》(1910年−1911年)などを発表し,交響曲作家としての地歩を固める。その後も同年生れのシベリウスと同様,同時代のヨーロッパの思潮からは距離をおき,〈調性〉の可能性を極限までつきつめた独自の作品が書き継がれていく。1915年母校教授,1931年には同院院長に就任。《交響曲第4番・不滅》(1914年−1916年),《交響曲第5番》(1921年−1922年)が広く知られるほか,《パンとシリンクス》(1917年−1918年)などの管弦楽作品,バイオリン,フルートクラリネットの各協奏曲(1911年,1926年−1927年,1928年),四つの弦楽四重奏曲(1888年−1919年),数多くの歌曲などがある。→交響曲

ニールセン

デンマークの彫刻家。スベンボルク生れ。コペンハーゲンのアカデミーに学んだのち,パリ,イタリアに留学。大胆で激情的なモティーフと官能的な女性像に特色があり,トルバルセンの古典的作風とは対照的なバロック的作風。代表作《ユメールの噴水》《ビーナスリンゴ》など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ニールセン」の意味・わかりやすい解説

ニールセン
Kay Nielsen
生没年:1886-1957

デンマークの挿絵画家古典劇の俳優を父母にもち,ビアズリーや浮世絵に刺激されて挿絵画家を志した。ロンドンへ渡って挿絵集《おしろいとスカート》(1913),《太陽の東・月の西》(1914)を出版。妖精画の魅力と不思議な様式美に満ちた画風は注目を浴びたが,挿絵を中断して映画製作に参加,1936年にはハリウッドに移り,ディズニーのアニメ製作や映画セットのデザインを手がけた。しかし極度に様式的な彼のデザインは時代の流れに合わなくなり,晩年はまったく無名の画家として没した。
執筆者:


ニールセン
Carl Nielsen
生没年:1865-1931

デンマークの作曲家。コペンハーゲンの音楽学校卒業後に宮廷楽士を務めながら創作活動に入った。王立劇場楽長に就任する1908年ころまでにかなりの作品を発表している。民族主義色豊かな後期ロマン派時代にあって彼はむしろブラームスの影響を受け,伝統的様式の中で独自の才を発揮した。《交響曲第4番不滅》(1916)など6曲の交響曲(1892-1925)と4曲の弦楽四重奏曲(1888-1919)等が代表作に数えられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニールセン」の意味・わかりやすい解説

ニールセン(Carl August Nielsen)
にーるせん
Carl August Nielsen
(1865―1931)

デンマークの作曲家。父からバイオリンの手ほどきを受け、1884~86年コペンハーゲン音楽院に学ぶ。初め王立管弦楽団のバイオリン奏者、のち王立歌劇場やコペンハーゲン音楽協会の指揮者として活躍した。作曲ではブラームス、グリーグ、リストらの影響を受けた後期ロマン主義から出発したが、のちには独自のポリフォニックな作風を確立、時代を先取りする多調の傾向を示した。作品はオペラ、交響曲、室内楽、デンマーク語による歌曲など全領域にわたるが、六曲の交響曲がよく知られ、とくに第二番「四つの気質」(1901)、第四番「不滅」(1916)が有名。

[細川周平]


ニールセン(Asta Nielsen)
にーるせん
Asta Nielsen
(1882―1972)

デンマーク出身の映画女優。コペンハーゲンに生まれる。師でありのちに夫となるウァバン・ギャズが監督した『深淵(しんえん)』(1910)で舞台女優から映画に転身。生気に満ちた美しさでたちまち「スカンジナビアのサラ・ベルナール」と注目を浴び、最初のスターの1人となった。1911年ドイツへ移り、『珍鳥』(1911)などでドイツ映画草創期の大きな力となった。36年に故国に戻るまでに『女ハムレット』(1920)、『喜びなき街』(1925)、『娼婦(しょうふ)の悲劇』(1927)などのサイレント映画に出演した。

[出口丈人]

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ニールセン」の解説

ニールセン

デンマークの作曲家。16~17世紀の音楽の研究と、ブラームスやグリーグなどから受けた影響とを活かしてポリフォニックな独自の作風を確立した。
ヴァイオリンやコルネットの手ほどきを父親から受け、軍楽隊 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

日本の企業がわかる事典2014-2015 「ニールセン」の解説

ニールセン

正式社名「ニールセン株式会社」。英文社名「Nielsen Co., Ltd.」。情報・通信業。平成11年(1999)「ネットレイティングス株式会社」設立。同24年(2012)現在の社名に変更。本社は東京都渋谷区渋谷。米国ニールセン社、トランスコスモス社などによる合弁会社。インターネット利用者の動向調査、マーケティング情報の提供などを行う。ほかにアクセス解析・マーケティングコンサルティングなど。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニールセン」の意味・わかりやすい解説

ニールセン
Nielsen, Carl August

[生]1865.6.9. ネレリュネルセ
[没]1931.10.3. コペンハーゲン
デンマークの作曲家。歩兵連隊のトランペット奏者となり,1884年コペンハーゲン音楽院に入学。 86年管弦楽団のバイオリニストを経て楽長となる。作品は,5曲の交響曲のほか聖書オペラ,コミック・オペラ,協奏曲,室内楽,合唱曲,歌曲など多数。

ニールセン
Nielsen, Asta

[生]1883.9.11. コペンハーゲン
[没]1972.5.25. コペンハーゲン
デンマークの映画女優。舞台から映画界に入りデンマーク,ドイツ両国で活躍,無声映画期を代表する北欧のスターとなった。おもな出演作品『女ハムレット』 (1920) ,『喜びなき街』 (25) 。

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世界大百科事典(旧版)内のニールセンの言及

【視聴率】より

…視聴率調査を専門としている会社として,ビデオリサーチ社(本社東京。1962年に電通,TBSほかの出資で設立)とニールセン日本支社(東京。1961年設立。…

※「ニールセン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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