ノジスミレ(読み)のじすみれ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノジスミレ」の意味・わかりやすい解説

ノジスミレ
のじすみれ / 野路菫
[学] Viola yedoensis Makino

スミレ科(APG分類:スミレ科)の多年草。全体はスミレによく似ているが、全体が柔らかく、普通は短毛が生えているが、果実期には、やがて展開する若葉を除いてほとんど無毛。根は白い。花はスミレよりすこし早く、3~4月に開き、紫色でスミレより淡い。側弁の内側は普通は無毛、唇弁の距(きょ)は細長い円頭形で長さ5~7ミリメートル。夏から秋に出る葉は大きくて、葉身が円心形や長三角形になり、コスミレアカネスミレと似てみえるが、前者は側萼片(がくへん)の付属体に刻みがあり、後者は果実に毛があるので区別がつく。秋田県から屋久島(やくしま)にかけて分布し、日当りのよい道端などによくみられる。

[橋本 保 2020年7月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノジスミレ」の意味・わかりやすい解説

ノジスミレ(野路菫)
ノジスミレ
Viola yedoensis

スミレ科の多年草。路傍や丘陵地に生え,本州以南,朝鮮半島,中国など東アジア暖帯に広く分布する。地上の茎はなく,葉はすべて根生し,葉身は長さ3~6cmの三角状広披針形で,縁に低い波状の鋸歯がある。葉や葉柄白色の短毛が密に生える。3~4月,スミレよりわずかに早く開花する。7~10cmの花柄を伸ばし,やや小型の淡青紫色の花を横向きにつける。

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