ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノベール」の意味・わかりやすい解説
ノベール
Noverre, Jean Georges
[没]1810.10.19. サンジェルマンアンレ
フランスの舞踊家。実質的に今日のバレエの基礎を築いた功績者。 L.デュプレに学び,1743年デビュー。 49年最初の振付作品『中国の祭り』をつくり,生涯に 150のバレエを振付けた。また J.ルソーの思想を反映した古典的な美の理想を追求する理論を,著書『舞踊とバレエに関する手紙』 Lettres sur la danse et les ballets (1760) で示し,それを果敢に実践。仮面使用の因襲を排撃して,バレエ・ダクシオンといわれる劇中心のバレエを創造,装飾的なコール・ド・バレエを捨て,舞踊とマイムの融合に努力した。急進的であったがためフランスを追われ,イギリス,オーストリアのオペラ劇場で作曲家 C.グルックと組んで数々の作品を生んだ。「バレエのシェークスピア」ともいわれ,76年かつての教え子マリー・アントアネットの招請によって,パリ・オペラ座のバレエ・マスターに就任した。 80年引退後はロンドンでバレエ団を組織。門下に P.ガルデル,A.ブールノンビル,C.ディドロらがいる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報