ハリオアマツバメ(その他表記)Hirundapus caudacutus; white-throated needletailed swift

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリオアマツバメ」の意味・わかりやすい解説

ハリオアマツバメ
Hirundapus caudacutus; white-throated needletailed swift

アマツバメアマツバメ科全長 21cm。頭上と尾は藍黒色で光沢があり,背は灰褐色。額と喉は白く,胸以下の下面は暗褐色であるが,下尾筒は白い。その名のように尾羽の先は羽軸が突出して針状になっている。この尾羽は垂直の岩壁や木の幹に留まったときに体の支えになる。ヒマラヤ山脈の南山麓,ユーラシア大陸東部で繁殖し,ニューギニア島オーストラリア大陸東部に渡って越冬する。日本には夏鳥(→渡り鳥)として渡来し,北海道本州で繁殖している。水平飛行では鳥類なかでいちばん速い一種として有名である。(→アマツバメ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリオアマツバメ」の意味・わかりやすい解説

ハリオアマツバメ
はりおあまつばめ / 針尾雨燕
whitethroated needle-tailed swift
[学] Chaetura caudacuta

鳥綱アマツバメ目アマツバメ科の鳥。全長約23センチメートル。アマツバメ科のなかでは最大種の一つで、尾羽の先端が針状である特徴をもつ。これは、岩や幹に垂直に止まるときに体を支えるための適応である。アジア東部に分布し、極東のものは冬季オーストラリアまで渡る。日本では夏鳥として渡来し、本州中部地方以北で繁殖する。

[森岡弘之]


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世界大百科事典(旧版)内のハリオアマツバメの言及

【アマツバメ(雨燕)】より

…熱帯地方を中心にほぼ全世界に分布する。鳥類中でもっとも空中生活に適応し,ハリオアマツバメ類の大型種は鳥類中で最高の飛翔速度をもつといわれる(一説には日本のハリオアマツバメで200km/h)。すべて鎌状の長い翼と黒色系のじみな体色をもち,巣づくりにそれぞれ特徴がある。…

※「ハリオアマツバメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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