ハンプトン・コート宮殿(読み)はんぷとんこーときゅうでん(英語表記)Hampton Court Palace

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンプトン・コート宮殿」の意味・わかりやすい解説

ハンプトン・コート宮殿
はんぷとんこーときゅうでん
Hampton Court Palace

ロンドン西郊、テムズ川のほとりにある宮殿。1515年ごろ枢機卿(すうききょう)ウルジー邸宅として建てられたが、のちヘンリー8世(在位1509~47)の不興をなだめるため同王に献上された。王は南北の翼部、礼拝堂、大ホールなどを加え、さらに17世紀末には、ウィリアム3世の妃(きさき)メアリーの命によって、クリストファー・レンが大規模増改築に着手したが、東翼の一部などを除いて未完に終わった。チューダー式を基本としたれんが造で、大ホールの内部などにはイギリス・ゴシックの、外壁装飾などにはイタリア・ルネサンスの影響を示す。広大な庭園はイギリスの庭園の代表的なものとされ、今日ではロンドン市民の格好なレクリエーションの場所となっている。

友部 直]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンプトン・コート宮殿」の意味・わかりやすい解説

ハンプトンコート宮殿
ハンプトンコートきゅうでん
Hampton Court

イギリス国王城館。ロンドン郊外のテムズ川沿いにあって,イギリス最大の規模をもつ城館。ウルジー枢機卿により 1514年起工され,ヘンリー8世により王宮として 40年完成。ジョージ2世がまず住み,ウィリアム3世によって庭園はオランダ式になった。城館には初期チューダー様式にその後の各時代の様式が共存し,部分的にイタリア風の装飾もみられる。

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