日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウルジー」の意味・わかりやすい解説
ウルジー
うるじー
Thomas Wolsey
(1475ころ―1530)
イギリスの聖職者、政治家。肉屋の息子に生まれたが、聖職者として累進し、ヨーク大司教(1514)、さらに枢機卿(すうききょう)(1515)となった。また、政治家としてもヘンリー8世の信頼と寵(ちょう)を得て、ついには大法官の地位につき(1515)、内政、外交の両面で宰相的役割を演じた。だが、その独裁ぶりが世人の憎しみを招き、やがては王もまた疑惑を抱くに至る。とくに王の離婚問題が起こると、王の希望を満たしえず、宮廷より左遷される。のちには反逆罪で起訴され汚名を負ったまま病死した。
[植村雅彦 2017年11月17日]