バーゼル銀行監督委員会(読み)ばーぜるぎんこうかんとくいいんかい(英語表記)Basel Committee on Banking Supervision

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーゼル銀行監督委員会」の意味・わかりやすい解説

バーゼル銀行監督委員会
ばーぜるぎんこうかんとくいいんかい
Basel Committee on Banking Supervision

国際業務を営む銀行を対象とした統一規制ルールを協議する機関。略称BCBS。スイスバーゼルにある国際決済銀行BIS)内に事務局を置くため、こうよばれる。通称バーゼル委員会。主要国・地域の中央銀行金融監督当局(日本は金融庁)のトップや実務担当者らが出席し、銀行の健全性を維持するための自己資本比率基準やリスク管理指針などを定めている。旧西ドイツのヘルシュタット銀行の破綻で国際金融市場が混乱したことを契機に、1974年、主要10か国(G10)の中央銀行総裁らが設立について合意し、1975年に創設され、同年、第1回会合を開いた。2014年(平成26)1月時点で、日本のほか、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、サウジアラビアシンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、中国、ドイツ、トルコ、ブラジル、フランス、ベルギー、香港(ホンコン)特別行政区、南アフリカメキシコルクセンブルク、ロシアの計27か国・地域が参加している。

 バーゼル委員会は年に4回、定期会合を開催するほか、国際経済情勢や金融危機などに応じて随時会合を開く。国際的に活動する銀行の健全性を維持するため、1988年に自己資本比率を物差しとする初の統一規制(バーゼル合意、バーゼルⅠ、BIS規制)について合意・公表し、多くの国が同規制を採用した。その後の金融のグローバル化や複雑化に対応するため、2004年には、リスクをきめ細かく反映する新規制(バーゼルⅡ、新BIS規制)に改定した。さらに2007年夏以降の世界的な金融危機の反省から、2010年には自己資本比率規制をより厳しくした新バーゼル合意(バーゼルⅢ)を公表した。

[編集部]

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