日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バーチャスパティ・ミシュラ
ばーちゃすぱてぃみしゅら
Vācaspati Miśra
9~10世紀のインドの思想家。東インドのミティラー出身。サーンキヤ、ヨーガ、ミーマーンサー、ベーダーンタ、ニヤーヤの各哲学学派の重要な文献に対し、客観的態度をもって注釈を書いた。最後の著作とされる『バーマティー』は、不二一元論(ふにいちげんろん)派ベーダーンタの開祖シャンカラの著作『ブラフマ・スートラ注解』に対する復注である。無明(むみょう)が個我を基体とし、ブラフマン(梵(ぼん))を対象としてブラフマンの真の本性をくらますという考えにたって書かれ、これに基づいてバーマティー学派が成立した。
[倉田治夫 2018年5月21日]
[参照項目] |